研究分担者 |
貝柄 徹 関西外国語大学, 国際言語学部, 助教授 (10221863)
米田 文孝 関西大学, 文学部, 助教授 (00298837)
高橋 誠一 関西大学, 文学部, 教授 (00025082)
薗田 香融 関西大学, 文学部, 教授 (40067492)
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
末尾 至行 関西大学, 文学部, 教授 (80067462)
|
配分額 *注記 |
30,400千円 (直接経費: 30,400千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1996年度: 21,400千円 (直接経費: 21,400千円)
|
研究概要 |
過去4年度にわたって定着させてきたC6H6合成法の一つ,SrC2法は反応過程が煩瑣であることから,これに換えて既存設備を全面的に利用しつつ,新しくLi2C2法を開発して実用化しました。これは世界でも一般的に採用されている二酸化炭素Li吸収法と異なり,炭化試料を直接溶融Liに反応させる方法ですが,この方法の詳細については本年中に学術誌に投稿する予定です。以下,研究期間中に達成した成果を略述します。 (1)新しいLi2C2法を駆使し,地域を縄紋時代以来内湾または湿地であった河内平野に限定し,弥生時代を通じた各型式の土器群に共伴する木片試料を測定しました。未だ弥生時代の放射年代尺が存在しない現況下,この意義には大きいものがあります。今後,さらに測定結果を増やし,年内にその成果を論文投稿して公開する予定です。 (2)液体シンチレーション法一般に関する新しい知見を得ました。年代測定に係わらず,液体シンチレーション一般の研究では,溶液量依存則が定説でした。すなわち,試料溶液量とシンチレータ溶液量の総量を一定にしないと,放射線計測の再現性は得られないものと推断されてきました。ところが,溶液量依存性はシンチレータ量を試料ベンゼンの1.3倍以上にして比を等しくすることで,等しい計数効率が得られることを明らかにしました。この画期的な新知見やその他の知見を使用し,少試料に対するバックグラウンドを下げて,計数効率を上げる手法を導出・確立しました。この研究成果の詳細は専門誌Radiocarbon誌に受理され,最新号に掲載される予定です。 (3)14C法は考古学や地球科学で最も使用される年代測定法ですが,その原理や年代の意味,手法の可能性や限界について,ほとんど理解されていない状況にあります。測定者と利用者の適切な協力関係の上に,14C法に係わる諸科学の発展が期待されると考え.高い水準の入門書を作成・出版します。 (4)既往の研究成果を踏まえ,弥生時代の14C年代測定成果を主とするホームページを今年中に公開する予定で準備を進めています。
|