配分額 *注記 |
35,400千円 (直接経費: 35,400千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1998年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1997年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1996年度: 16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
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研究概要 |
1.大規模現象解析:全球観測・再解析データの充実をふまえ,解析期間を最大約40年間に延長し,南北両半球の対流圏・成層圏大循環の年々変動を詳しく調べた.特に,各種波動が帯状平均流の生成・維持・変化に及ぼす力学効果を重点的に解析した.これらの統計解析の結果,下層大気(対流圏)と中層大気(成層圏)の力学結合,および赤道大気と中高緯度大気の長周期変動の関係に関し幾つかの新しい知見と問題提起が与えられた. 2.中小規模現象解析:MUレーダー,ラジオゾンデ,気象庁予報結果,ECMWF全球解析等のデータを複合的に活用し,成層圏大気重力波および中緯度対流圏界面に卓越する中間規模東進波の力学特性を詳しく調べた.3週間連続特別観測を行ない,下部成層圏弱風層に卓越する単色的な慣性重力波を発見した.また,中間規模東進波のクライマトロジーを作りあげ,さらに力学解析を行なうことによってその成因・維持機構を明らかにした. 3.大規模現象数値実験:2次元および3次元の全球大気モデルを開発・整備して,総観規模波動と惑星規模の流れが相互作用して大気循環の長期変動をつくりだすメカニズムを調べた.地形により強制されたプラネタリー波と帯状平均流の相互作用,傾圧擾乱と帯状平均流の相互作用,傾圧擾乱-強制プラネタリー波-帯状平均流の相互作用に分離し,それぞれの理想化した状況における長期変動の力学を明らかにした. 4.中小規模現象理論・数値実験:準地衡方程式系を用いて中間規模波動の存在メカニズムに関する理論的考察を行ない,この波動が中緯度対流圏界面付近に局在する大きな正の渦位勾配に捕捉された中立モードであることを初めて示した.また,高分解能気候モデルを用いて現実的な大気重力波をシミュレートすることに成功し,統計解析により,全球的な背景場の中における重力波の生成・伝播・作用の新しい知見を得た.
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