配分額 *注記 |
33,200千円 (直接経費: 33,200千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 26,900千円 (直接経費: 26,900千円)
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研究概要 |
フルベン、ジメチルシクロブテン、トリメチレンシクロペンテン、およびラジアレンなどのすべての炭素原子にケイ素の置換した新規のパイ電子系化合物を、大環状アセチレンの分子内環化反応で合成した。これらの化合物の構造をX-線結晶解析で決定し、反応を検討した。そのうち、ジメチルシクロブテン、トリメチレンシクロペンテン、およびラジアレンなどは2電子還元によって興味深いジアニオン種を与えることがわかった。これらは極めて反応性に富み、空気や湿気に極めて敏感ではあるが、構造をX-線結晶解析で研究した。その結果、環の上をリチウム原子が動き回るなどの興味ある現象を見いだした。 1,3,4,6,7,9-ヘキサシラ-1,1,3,3,4,4,6,6,7,7,9,9-ドデカトリインダンの2電子還元によって常温で三重項ESRスペクトルを示す化学種が得られた。スペクトルの解析の結果、基底状態は一重項ではあるが、このものの三重項と一重項のエネルギー差がこれまでに知られている最も小さい(1kcal/mole)値であることがわかった。 テトラシリル置換エチレンのジアニオンについても構造を詳細に検討し、リチウム原子の結合性で空のp-軌道によるアニオン電子の逆供与が構造を規定すること、リチウムとSi-Hの水素とのagostic相互作用を見いだすなど興味ある知見を得た。 ジアミノシリレン、トリメチルシリルメチル置換ジシレンおよびヘキサシラ-1,3-ブタジエンなどの新規の反応性中間体の生成と物性を研究し興味ある知見を得た。
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