研究課題/領域番号 |
08404044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
矢野 重信 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60011186)
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研究分担者 |
鈴木 孝仁 奈良女子大学, 理学部, 教授 (60144135)
三方 裕司 (三方 祐司) 奈良女子大学, 理学部, 助手 (10252826)
加藤 昌子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (80214401)
大倉 一郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (90089821)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
40,000千円 (直接経費: 40,000千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
1996年度: 17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
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キーワード | 生理活性 / インターカレーター / ハイブリッド錯体 / 配糖錯体 / 抗菌性 / 光毒性 / 制がん活性 / ポルフィリン / 糖 / 錯体化学 / 白金錯体 / ジアジド / 抗がん活性 / 抗癌性 / シスプラチン / ニッケル錯体 / 配糖ジアミン / ハイブリッド / 抗ガン活性 / 結晶解析 |
研究概要 |
1.本研究は、当研究室で世界に先駆けて切り拓いてきた糖質の配位化学を発展させ、生理活性ハイブリッド錯体の分子設計とバイオメカニズムの解明を目指し生体適合性に優れた配糖錯体の実現を目指すものである。 2.糖質をN-グリコシドとして金属錯体上に集積させた、分子識別及び基質特異的化学変換を促進する酵素モデルと成り得るような分子識別能を有するインテリジェント配糖錯体の設計を行った。代表的な癌の化学療法剤として臨床応用されているインターカレーターあるいは糖連結シスプラチンを取り上げた。糖をO-グリコシド結合によりジアミンに結合させた配位子とその白金錯体の合成とキャラクタリゼーションを行った。キラルな2,3-プロパンジアミンにO-グリコシド結合により糖を導入した配位子の合成を行い、それらを用いてシスプラチン型Pt(II)錯体の合成を行った。テトラフェニルポルフィリンを骨格とした生体適合性に優れた糖分子を有する水溶性ポルフィリン類・クロリン類の合成、またそれらの化合物の培養がん細胞に対する光毒性評価を行った。生理活性配糖錯体の開発を目指し、D-グルコサミンとエチレンジアミンから誘導されるN-グリコシドを配位子とするNi(II)配糖錯体の合成とキャラクタリゼーションを行った。 3.イオン識別能あるいはCo(IIorIII)配糖錯体の構築に成功した。シスプラチン錯体のマウス白血病P388による制ガン効果の検定を行ったところインターカレーター連結錯体では、dose50mg/kgでT/C値が113となり、延命効果が見られた。また、一部の糖連結錯体ではT/C値が194となり、有効な延命効果が見られた。配糖Ni(II)錯体は病原性酵母Candia Albicansに対して抗菌活性を示した。糖連結水溶性ポルフィリン類・クロリンは培養がん細胞(Hela細胞)に対して有効な光毒性を示した。以上、糖質の導入が極めて有効であることが判明し、今後の展開が期待される。
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