研究課題/領域番号 |
08404048
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10113424)
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研究分担者 |
宮崎 章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40251607)
佐藤 博彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90262261)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
40,700千円 (直接経費: 40,700千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1996年度: 29,900千円 (直接経費: 29,900千円)
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キーワード | ナノグラファイト / 層間化合物 / 活性炭素繊維 / マイクロポア / スピングラス / マイクログラファイト / ナノサイズ電子系 / 欠陥構造 / 熱処理秩序化 / 化学吸着 / ダングリングボンド状態 / 共役π電子系 / 共約π電子系 / ランダム / 吸着 / ホスト・ゲスト系 / 炭素 / 磁化率 / 熱起電力 / 反強磁性 |
研究概要 |
(1)ナノダイヤモンドの熱処理により得られるナノグラファイト及びそのカリウムと臭素層間化合物の構造、電子構造、磁性を調べた。構造と熱処理温度の関係をラマン散乱及びX線回析により調べ、熱処理温度の上昇とともに約1600℃でダイヤモンドからグラファイトに転移することが明らかとなった。グラファイトへの転移温度直下において、ESRスピン-格子緩和時間が急速に増加することが明らかになった。このことは、sp^3欠陥の存在により、伝導π電子がナノグラファイトエッジに存在する緩和中心に近づけないことが原因と思われる。ナノグラファイト-カリウム層間化合物は有限サイズ効果により、均一構造を取らないことが明らかとなった。電子状態では、ナノグラファイト特有なエッジ状態の寄与が電荷移動により消滅することが明らかとなった。また、この構造を反映して、ESRスペクトルに大きなスピン-軌道相互作用の増加が観測された。 (2)ナノグラファイトの三次元ネットワークからなる活性炭素繊維の磁性の熱処理温度依存性を調べ、金属-絶縁体転移近傍でエッジ状態のスピンがスピングラス的なランダム磁性状態を形成することを明らかにした。また、活性炭素繊維のマイクロポア中に水を吸収させるとナノグラファイトの局在スピン濃度が減少することが明らかとなった。このことは、マイクロポア中に存在する水による実効的な圧力により、ナノグラファイトを構成するグラフェンシート間の相互作用が増加することによるものと思われる。
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