研究課題/領域番号 |
08404049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸岡 啓二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)
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研究分担者 |
浅尾 直樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60241519)
大井 貴史 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80271708)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
40,800千円 (直接経費: 40,800千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1996年度: 30,300千円 (直接経費: 30,300千円)
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キーワード | 二点配位型ルイス酸 / 有機アルミニウム反応剤 / 二点配位型チタン触媒 / 向山アルドール反応 / 光学活性ビナフトール / 光学活性チタン触媒 / 不斉アリル化反応 / エナンチオ選択性 / 実用的不斉合成 / カルボニル化合物 / チタン / ケトン還元 / アリル化 / エポキシド / 有機アルミニウム / N, N-ジメチルホルムアミド |
研究概要 |
本研究では、まず、「二点配位型ルイス酸」としての二点配位型有機アルミニウム反応剤の創製に取り組んだ。すなわち、二座配位子としてのビフェニレンジオールと2当量のトリメチルアルミニウムから、二つのアルミニウム原子が望ましい原子間距離に位置し、二点配位が可能なルイス酸を作り上げた。この二点配位型ルイス酸を用いると、ケトンの還元や向山アルドール反応において相当する一点配位型ルイス酸と較べ顕著な反応性の差が見られた。この知見を利用して、二点配位型Meerwein-Ponndorf-Verley還元触媒を案出し、カルボニル化合物の触媒的還元反応プロセス開発への応用に成功した。続いて、二点配位型チタン系ルイス酸の反応性、選択性を明らかにした。元来、非常に弱いルイス酸であるTi(OPr^i)_4に二点配位型の概念を導入することにより、その反応性の向上を試みた。その結果、スペーサーとして1,8-ジヒドロキシアントラキノンを用い、2当量のTi(OPr^i)_4を加えることにより容易にビス(チタン)反応剤が調製できた。この触媒を10mol%用いて環状ケトンの水素化トリブチルスズによる還元、或いはテトラアリルスズによるベンズアルデヒドのアリル化を行うと顕著な反応性の向上が見られた。最終年度は、光学活性二点配位型チタン系ルイス酸触媒の創製に取り組んだ。光学活性源として安価かつ入手容易な光学活性ビナフトールを用いることとした。これを適当なスペーサーと組み合わせ、得られた光学活性チタン触媒のカルボニル化合物に対する反応性、選択性の評価には、不斉アリル化反応を採用した。種々検討した結果、金属触媒の柔軟性を持たせるためチタン金属をジアミン型スペーサーに弱く配位させた、新しいタイプの二点配位型光学活性チタン触媒の創製に成功し、金属触媒を設計するうえで幾つかの貴重な知見を得ることに成功した。
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