研究課題/領域番号 |
08404051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
喜多村 昇 (喜多村 〓) 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50134838)
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研究分担者 |
八尾 浩史 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20261282)
中谷 清治 筑波大学, 化学系, 助教授 (00250415)
金 幸夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40186367)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
35,300千円 (直接経費: 35,300千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 29,400千円 (直接経費: 29,400千円)
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キーワード | レーザー捕捉 / 顕微吸収・蛍光分光 / マイクロ電気化学 / 単一微粒子 / ダイナミクス / イオン交換 / ピコ秒分光 / 液・液界面 / 微粒子 / 顕微分光 / マイクロチャンネル / ピコ秒ダイナミクス / 電子移動 / 物質移動 / 微小油滴 / マイクロキャピラリー / 液 / 液界面 / サイズ依存症 |
研究概要 |
単一微粒子のレーザー捕捉・顕微分光・電気化学測定システムの機能に加え、分析化学反応ダイナミクスを追跡可能とするためにピコ秒レーザーシステムを組み込んだ顕微ピコ秒蛍光測定システムとして再構築した。これを用い、単一イオン交換樹脂内の構造とイオン交換ダイナミクスの検討、溶媒抽出の基本となる液/液界面現象のダイナミクス、単一油滴の反応ダイナミクス等について詳細な検討を行った。 1. イオン交換反応ダイナミクス:これまで膨大な研究があったが、イオン交換樹脂一粒の測定に基づいたイオン交換過程の直接測定は皆無であった。上記の新しい物理化学的な手法を用いることにより、樹脂の架橋度、イオン交換対の種類、温度等のイオン交換過程を律する因子を解明した。また、イオン交換過程の直接測定法として励起エネルギー移動消光法が極めて有効であることも示し、イオン交換樹脂の化学の新しい局面を拓くことができた。 2. 液/液界面現象のダイナミクス:ピコ秒全反射蛍光法及び動的蛍光異方性測定法を駆使し、液/液界面の特徴を明らかにした。例えば、水/四塩化炭素、水/ジクロロエタン界面はともにシャープで混ざりあいにくい界面と考えられてきたが、ダイナミクス測定の結果から前者の界面層の厚みは1nm以下であるのに対して、後者ではより厚い界面層を持つことを明らかにした。この他、溶媒抽出で利用される水/フタレートエステル系溶媒の造る液/液界面の特徴についても解明した。 3. 単一液滴の化学とそのダイナミクス:水中の単一液滴界面を経由した電子移動反応と物質移動過程、さらには液滴内における分子間会合と色素の蛍光寿命について、いずれの場合においても液滴サイズ依存性が現われることを初めて実験的に示した。微小な球形液/液界面はフラットなバルク液/液界面とは大きく異なり、種々の界面反応・現象が液滴サイズ依存する。本研究を通して、溶媒抽出過程のミクロ機構を解明する重要な知見が得られた。
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