研究課題/領域番号 |
08405004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅 滋正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40107438)
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研究分担者 |
白井 正文 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (70221306)
鈴木 直 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029559)
今田 真 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (90240837)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
25,400千円 (直接経費: 25,400千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1996年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
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キーワード | 価数揺動 / 近藤共鳴 / バルク敏感 / 共鳴光電子分光 / 磁気相転移 / 金属-絶縁体転移 / 電荷整列転移 / 電荷整列 / 4f電子 / 共鳴光電子 / 磁気転移 / 3d電子 / マンガナイト / 近藤絶縁体 / 軌道混成 / 重いフェルミ粒子 |
研究概要 |
本研究では相転移に伴う電子状態の変化をフェルミ準位近傍で高いエネルギー分解能で測定した。放射光を用いて共鳴光電子分光の手法を利用した。研究の前半では電荷整列を起こす少数キャリアの重い電子系Yb_4As_3系の電子状態の温度変化を観測した。また近藤絶縁体YbB_<12>について高分解能光電子測定に成功した。マンガナイトNd_<1-x>Sr_xMnO_3についてはx=0.5では高温側から常磁性絶縁体-強磁性金属-電荷整列絶縁体と転移する振る舞いを観測した。またx=0.47では上磁性絶縁体-強磁性金属転移を示し低温までフェルミカットオフが観測された。研究の後半ではSPring-8において世界最高性能の軟X線ビームラインを完成させた。Yb系について900eV付近で4f光電子分光を行ったところ、光エネルギーが120eV付近では(圧倒的に)優勢だった表面のYb^<2+>成分がほとんどサプレスされている。つまりdeconvolutionに頼ることなく、直接バルクのYb^<2+>成分を実験的に得られる事が分かった。Ce化合物系の4d共鳴光電子分光では近藤温度が桁違いの2つの試料の場合でも4fスペクトルが酷似していた。電子運動エネルギーが100eVの光電子分光ではほとんど表面電子状態しか観測できない。そこで3d-4f共鳴光電子分光を行ったところ、これまでとは全く異なるスペクトル形状が観測された。Ce系については世界ではじめてバルクの電子状態を見る事が出来た。 平行して理論的に遷移金属窒化物ならびにY-Co系化合物の構造と磁性の研究を行った。NaCl型およびZnS型のすべての遷移金属窒化物第一原理電子状態計算を系統的に行った。(1)非磁性状態における平衡格子定数の再現(2)全エネルギーは一般的にNaCl型の方がZnS型よりも安定であるが、その差は非常に小さい(3)NaCl型CrN、FeN、CoNでは強磁性状態が最安定である。(4)強磁性体YCo_5とYCo_4Bのスピンおよび軌道モーメントの計算から、B置換により、異なるCoサイトのモーメントは逆向きに変化する(5)YCo_3B_2は非磁性状態が最安定であることなどが分かった。
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