研究課題/領域番号 |
08405008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八田 有尹 (八田 有ただ) 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005502)
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研究分担者 |
鈴木 裕史 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50236022)
和田山 智正 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20184004)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1996年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 液晶 / 光異性化 / 分子配向 / 表面 / 赤外分光 / 分子配向制御 / ラマン散乱 / 振動分光法 / 配向制御 / 振動スペクトル / ラマン分光 |
研究概要 |
本研究では、光による液晶の配向制御を目指す研究の一環として、固体表面分子の光異性化反応と、これに伴うネマチック液晶の分子配尚の変化を明らかにした。すなわち、金蒸着膜の表面にアゾベンゼンチオール分子:AZO11を溶液から吸着させることにより、self-assembly単分子層を作製し、その紫外光(可視光)照射によるトランス(シス)→シス(トランス)体への異性化を紫外・可視、赤外吸収およびラマン散乱スペクトルにより解析・評価した。また、上記のAZO11単分子層の上にネマチック液晶(5CB)の薄膜を作製し、光異性化によって5CB液晶分子の配向が変化することが実証された。トランス体AZO11単分子層に接する5CB液晶においては5CB分子の長軸は金表面に対して垂直方向に配向することがわかったが、シス体への移行によりこの垂直配向性は低下した。これは、AZO11-5CB分子間のファンデル・ワールスカ(主として双極子間相互作用)の変化に帰せられる。 その他の成果として、(1)金表面に吸着したトランス体AZO11のπ-π^*遷移に基づく吸収バンドの波長はAZO11の表面密度(分子間相互作用)の増加と共に短波長側にシフトする。したがって、このバンドから膜の状態を知ることができる。(2)溶液中と比較して、金表面に吸着したAZO11のトランス→シス異性化は著しく抑制される。この問題はシス→トランス異性化ではかなり緩和される。(3)固体表面におけるAZO11の光異性化収率の向上には鎖の短い分子との共吸着による表面濃度の希釈が有効である。(4)単分子層の光異性化の研究に表面赤外・ラマン分光法を初めて適用し、その有効性を実証した。
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