配分額 *注記 |
40,300千円 (直接経費: 40,300千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1997年度: 16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
1996年度: 20,700千円 (直接経費: 20,700千円)
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研究概要 |
本研究では,微細加工した磁性薄膜におけるスピン系のふるまいと膜構造の関係を明らかにするとともに,これを超高密度ストレージへ応用することを目標としている。本年度は,スパッタ法や分子線エピタキシー法で超薄膜を作製し,ソフト磁性,スピン依存電気伝導,磁気光学効果等の観点から,超薄膜の特性評価を行なった.また,FIBによる薄膜の微細加工も行なった。 (1) アモルファス材料のCoFeB薄膜を利用することによって,優れた軟磁性特性と耐熱性を兼ね備えたNiO/CoFeB/Cu/CoFeBスピンバルブ膜の開発に成功した。 (2) MBE法によってSrTiO_3基板上に強磁性層と反強磁性層のエピタキシー成長を試み,交換結合について詳細に検討した。室温においてSrTiO_3(001)上にNiFe(001)面,MnPt(100)面がエピタキシャル成長した。成長中には,膜面内の一方向に100Oeの直流磁界を加えたが,この磁界によって,一方向異方性が観察された。また,MnPt層は,室温成膜においても,AuCu型の規則相となった。 (3) 透過電子顕微鏡による磁区観察をアモルファス薄膜において行ったところ,パーマロイなどには見られない特異な磁区構造が観察され,アモルファス構造の微細な揺らぎが関係しているのではないかと考えられた。 (4) Gaイオンをベースとした集束イオンビーム加工装置を作製し,これを用いてNiO/CoFeB/Cu/CoFeBスピンバルブ膜に加工を施し,幅6μmの細線を作製した。細線のスピンバルブ特性は,加工前の膜の時に比べ,NiO層との交換結合磁界の低下が観察された。
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