研究課題/領域番号 |
08405025
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
|
研究分担者 |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
河合 〓 (河合 壯 / 河合 壮) 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40221197)
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
大森 裕 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50223970)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
42,900千円 (直接経費: 42,900千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1997年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1996年度: 28,800千円 (直接経費: 28,800千円)
|
キーワード | 導電性高分子 / フラーレン / 光誘起電荷移動 / ESR / 超伝導 / 強磁性 / 太陽電池 / C_<60> / カーボンナノチューブ / π電子 / 複合体 / ポリアセチレン誘導体 / ソリトン / ド-ピング / 光伝導 / 超光速光誘起電荷移動 / 電子素子 |
研究概要 |
本研究では導電性高分子と種々のフラーレンの複合体を作製し、特徴的な電子・光物性の解明と機能応用の可能性について検討を進めた。 導電性高分子とフラーレンの複合体はそれぞれの有機溶媒溶液を混合し、乾燥することで調整した。ポリ(3-アルキルチオフェン)等の非縮退系導電性高分子のフラーレン複合体においてフラーレンの濃度の上昇に伴う顕著な蛍光の消光効果を見出した。さらに金属電極を蒸着することにより作製した複合体のショットキー接合における短絡光電流は、フラーレンドーピング濃度に依存して著しく増強される現象を見出した。光照射により導電性高分子中で形成された励起子はフラーレンの存在下で効率良く解離してフラーレンに電子が移動し、超高速光誘起電荷移動が起こると考えられる。縮退系導電性高分子や有機-無機ハイブリッド導電性高分子等においても、フラーレンのドーピング効果を見出し、フラーレンとの複合効果を明らかにした。 これらの導電性高分子-フラーレン複合体に対しさらにカリウムを化学的にドーピングしたところ、特徴的な電子スピン共鳴スペクトル(ESR)信号が見出された。また、低磁場マイクロ波吸収スペクトル測定を行ったところ、カリウム-フラーレン-導電性高分子からなる超伝導相が形成されていることを見出した。また光照射下でのESR測定では、特徴的なフラーレン及び導電性高分子中のポーラロンに相当する極めて安定な共鳴シグナルが見出された。さらに、導電性高分子-フラーレン複合体に有機ドナーであるTDAEをドーピングしたところ特徴的な強磁性を示すことを見出した。 以上のように、導電性高分子-フラーレン複合体の電気的・光学的性質を明らかにし、ドーピング方法の最適化や基礎物性の評価だけでなく種々のデバイス応用を提案し、その可能性を明らかにした。
|