研究分担者 |
濱田 靖弘 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40280846)
持田 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40002050)
横山 真太郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90002279)
長野 克則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80208032)
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配分額 *注記 |
21,800千円 (直接経費: 21,800千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1997年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1996年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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研究概要 |
自然エネルギー・未利用エネルギーおよび蓄熱サイクルを活用したエネルギー自律型住宅と広域規模のエネルギー代謝システムに関する検討を行い,以下の知見が得られた. 1. 積雪地の太陽・風力エネルギー利用の導入可能性評価を行った.冬期間の太陽光発電は,雪面の反射効果を利用することによってシステム効率が向上する.また,太陽光と太陽熱を同時に利用するハイブリッドコレクターの実験と解析を行い,太陽電池・ソーラーコレクター単体パネルに対する優位性を明らかにした.次いで,太陽光・風力発電併用による自給化に関する検討により,両者に適正な組合せがあることを示した. 2. 大地のエネルギーを利用するための基礎資料の作成を目的として,地中温度の長期測定と積雪寒冷地に適用可能な予測手法を開発し,設計用の指針を示すとともに,土壌熱利用システムの年間蓄熱サイクル特性を評価する新しい指標を提案し,蓄熱型と熱源型の利用形態を示した.また,実規模の実験施設を建設し,長期間の運転実績に基づき,本システムが長期的に利用可能であることを明らかにした. 3. エネルギー自律型住宅の建設と実証実験を行い,自然エネルギーと未利用エネルギーによって80%の需要が賄われることを示した.このうち土壌熱は全体の36%を占め,その効果は極めて大きい.従来のエネルギー消費に対して,本住宅の購入エネルギーは12.5%と高い削減効果が得られた.また,エネルギー自律型住宅評価シミュレーターを開発し,省エネルギー性と環境保全性を評価した結果,本州地域においてもエネルギーの自給化を達成し得ることがわかった. 4. コミュニティーにおけるエネルギー有効利用に関する検討を行った.まず,地域熱電併給について解析し,建物構成の違いにより,年間一次エネルギー削減率は10〜30%の範囲となることを示した.さらに,長中期蓄熱に有望と考えられる地下帯水層に着目し,帯水層内における熱利用時の自然対流の発生条件を定量的に求めるとともに,その熱回収効率に及ぼす影響について示した.地下帯水層による蓄熱効率は,長短期サイクルの観点から非常に高いことが実験によって明らかとなったが,高温蓄熱時には自然対流の影響を考慮した設計が必要となることを示した.
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