研究課題/領域番号 |
08405063
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
麻生 茂 九州大学, 工学部, 助教授 (40150495)
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研究分担者 |
西田 迪雄 九州大学, 工学部, 教授 (10025968)
辛島 桂一 西日本工業大学, 工学部, 教授 (80013639)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
32,000千円 (直接経費: 32,000千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
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キーワード | 衝撃波 / 自励振動 / 超音速流 / 空力加熱 / 超音速混合 / キャビティ流 / 逆噴射ジェット / プラグノズル / キャビテイ流 / 非定常流 / 干渉場 / 非平衡 / 超音速混合流 |
研究概要 |
本研究の目的は、超音速流中の衝撃波の自励振動現象を解明するために、種々の衝撃波を伴う超音速流を実験的あるいは数値流体力学的に調べ、自励振動を行う衝撃波を含む流れ場の基本的な物理過程とその流れ場の構造を明らかにし、その自励振動の本質的なメカニズムを解明することにある。以下の代表的な様々な衝撃波を伴う超音速流を実験的あるいは数値流体力学的に研究を行った成果は下記のようである。 第1に、衝撃波-乱流境界層干渉場における衝撃波の自励振動現象の研究を行った。衝撃波の自励振動に関与する境界層剥離が非一様である確証を得た。さらに、衝撃波の自励振動にはマッハ数による違いはほとんどないことが明らかとなった。また、新しい可視化法として衝撃波-乱流境界層干渉流れ場の詳細な構造を明らかにするための蛍光測定システム(LIF)を導入し、流れ場の定量的測定法の開発を試みた。第2に、超音速流中にジェット逆噴射した場合に生じる衝撃波の自励振動についての研究を行った。計算結果は定性的に実験結果を非常によい一致を見た。実験ではジェットの圧力において衝撃波の変動周波数が顕著に異なることを明らかにした。第3にロケット打ち上げ時の超音速ジェットと壁との干渉における衝撃波の自励振動について研究を行った。ジェット出口と壁との距離によって変動のパターンが違うことが見いだした。第4に、超音速流に噴出した二次流による混合流れ場について実験的並びに数値的研究を行い、衝撃波の介在が混合にいかに有効に作用するかを明らかにした。この際、新しい試みとして二次噴射ジェット自らが作り出した衝撃波背後に二次流を噴出させ、その混合方式が通常の平衡噴射よりも混合効率がよいことを可視化及び質量分析により明らかにした。第5に、熱化学非平衡現象を伴う衝撃波による非定常空力加熱現象について数値計算を行い、高温化学反応の衝撃波誘起空力加熱現象に及ぼす影響について知見を得た。第6に、超音速流中の鈍頭物体に衝撃波によって生じる空力加熱のその防御について、フィルムクーリングの有効性を明らかにした。数値流体力学により得た結果は実験結果と非常によい一致を見せ、熱流束防御法の有効性を明らかにした。第7に、再突入体の表面の耐熱タイルが剥離して生じたキャビティ流れや耐熱タイル間の非常に狭い隙間に生じるキャビティ流れについて圧力ピークや熱流束ピークの存在位置とその大きさ、衝撃波を伴う自連振動に関する変動特性を明らかにした。第8に、完全再使用宇宙往還飛行体に使用が有望視されているプラグノズルの流れを数値的に解き、プラグノズルに欠かせないボートテイル形状の生じる抵抗が、その形状を変えることによりどのように低減されるか、また主流マッハ数によっていかに変化するかを明らかにし、実験結果とよい一致を見た。以上、当該研究課題は当初計画していた内容をほぼ達成できた。
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