研究分担者 |
吉川 雅英 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80272425)
原田 彰宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40251441)
佐藤 玲子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40230718)
金井 克光 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80214427)
中田 隆夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50218004)
岡田 康志 東京大学, 医学部, 助手 (50272430)
竹田 扇 東京大学, 医学部, 助手 (20272429)
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研究概要 |
1)微小管をレールとし、物質輸送を行うと予想される新しいキネシンスーパーファミリー遺伝子を17種類(KIF1C,KIF3C,KIF5C,KIF6,KIF7,KIF8,KIF9,KIF10,KIF11,KIF12,KIF13A,KIA14,KIF15,KIA16A,KIF16B,KIF17)発見した。この中には神経系特異、ある組織特異(たとえば腎臓の上皮細胞)と、すべての組織に発現する型があった。現在その一時構造の決定と分子細胞生物学的解析を行っている。 C末端モーター領域型KIFC2の解析を行った。KIFC2は792アミノ酸からなるC末モーター領域型のホモダイマーで、その発現は神経系特異で、特に中枢神経系に主に発現され、樹状突起に、多胞体様の新しい膜小器官を送るモーター分子であることが明らかとなった。 N末端モーター領域型、順行性、モノマー型モーター分子KIF1Aのgene targetingを行った。KIF1A遺伝子欠失マウスは生後24時間以内に死亡し、知覚障害と運動障害を示した。中枢神経系でシナプスの密度とシナプス終末内の小胞の密度が60%にまで激減し細胞体に小胞の異常な集積がみとめられた。扁桃体や海馬に神経細胞死をみとめ、培養海馬神経細胞は、培養8日後程から死滅することが分かりKIFIAがシナプス小胞の前駆体を運び、神経機能および神経細胞の生存維持に重要な働きをしていることが示された。 4)微小管をレールにする逆行性輸送のモーター分子の候補である脳ダイニンのgene targetingを行った。脳ダイニン欠失マウスは、胎生期に死亡するので、その胚幹細胞を培養して解析した。脳ダイニン欠失によりER(小胞体)からゴルジ装置へ輸送が障害され、又ライソゾームの細胞中心部への輸送も障害され、これらの輸送に脳ダイニンが重要であることが判明した。
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