研究課題/領域番号 |
08407015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岸 紘一郎 群馬大学, 医学部, 助教授 (30169841)
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研究分担者 |
細見 修 群馬大学, 医学部, 助手 (30134274)
中島 たみ子 群馬大学, 医学部, 助手 (40008561)
竹下 治男 群馬大学, 医学部, 講師 (90292599)
安田 年博 群馬大学, 医学部, 助教授 (80175645)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | 個人識別 / 遺伝的多型 / デオキシリボ核酸分解酵素 / 分子生物学 / 人類遺伝学 / DNA多型 / 酵素 / デオキリシボ核酸分解酵素 / cDNA / STR / DNase I / PCR / 親子鑑定 / 遺伝子構造 |
研究概要 |
1.従前の研究によって、我々はヒトデオキシリボ核酸分解酵素I(DNase I)多型が極めて個人識別能に優れた遺伝マーカーであるとを明らかにした。今回、轢き逃げ車両に付着した組織片からのDNase I型判定に際し、微量なDNAサンプルから実施可能なPCR法を利用したDNase I型遺伝子型判定法を開発した。2.DNase I多型について、新規な対立遺伝子5、DNASE1^*5を発見し、DNase1型の表現型が15種類に分類可能となった。さらに、DNase I遺伝子の第七イントロン内に一塩素置換に基づく新規な多型部位を見出した。その結果、DNase I型の個人識別能がさらに向上した。3.DNase I多型がコーカソイドおよびニグロイド集団にも認められ、DNase I多型が'world-wide'なものであり、さらにその表現型分布に人種差のあることを明らかにした。4.我々はヒト体液(斑)から識別可能な遺伝マーカーを検索してきた。今回、精液および唾液からα-2-HS-glycoprotein(AHSG)型が、また汗およびその付着物からDNase I型が再現性よく型判定できることを見出した。特に、後者は汗およびその付着物から判定可能な極めて少ない遺伝マーカーの一つである。5.従前の研究から、我々は、ヒトDNase IIが法医鑑識科学に応用できる遺伝的多型形質であることを発見した。今回、ヒトDNase IIの完全長cDNAのクローニングに成功し、その構造を決定した。さらにその遺伝子は第19染色体短腕p13.2-p13.1領域に位置することを決定した。なお、本研究で明らかにされたヒトDNase II cDNAは、脊椎動物DNase IIについて初めて報告されたcDNA構造である。6.ウサギおよびマウスDNase I cDNA構造を決定し、さらに免疫学的および生化学的比較・検討から、哺乳類DNase Iに関する分子系統樹の作図に成功した。 以上の知見より、DNase I型は轢き逃げ車両に付着した組織片または血痕から被害者を特定する際に、極めて有意な個人識別マーカーであることが判明した。
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