研究課題/領域番号 |
08407018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
篠山 重威 京都大学, 医学研究科, 教授 (70109007)
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研究分担者 |
木原 康樹 京都大学, 医学研究科, 助手 (40214853)
村上 知行 京都大学, 医学研究科, 講師 (00190885)
松森 昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (70135573)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
39,000千円 (直接経費: 39,000千円)
1997年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
1996年度: 21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
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キーワード | 心不全 / サイトカイン / 一酸化窒素 / インターロイキン / 腫瘍壊死因子 / NO合成酵素 / 免疫 / ホスホジエステラーゼ阻害薬 / 心肥大 / ダールラット / 高血圧 / TNF / マクロファージ |
研究概要 |
【目的】われわれの開発したEMCウイルスによる心筋炎から心不全を発症するマウスモデルではIL-1β、TNF-αのメッセンジャーRNA(mRNA)は、早期より発現が増加し、IL-1βは慢性期にも発現の亢進が持続した。また、IL-2,IFN-γも慢性期にも発現がみられた。このような心筋炎の慢性期におけるサイトカイン発現の亢進は、心筋炎から拡張型心筋症病態への進展との関連が示唆された。また、ダール食塩感受性ラットの心不全期やラット心筋梗塞後の心不全モデルにおいてもIL-1βなどのサイトカインの発現が亢進しており、これらのサイトカインと心不全の病態との関連が考えられる。 近年、われわれの研究によりホスホジエステラーゼ阻害薬などの強心薬のなかにサイトカイン産生を抑制する薬剤があることが明らかとなり、心不全の改善効果との関連が示唆された。一方、IL-1β、TNF-α、IFN-γなどのサイトカインは、心筋のiNOSのほか、心内膜、冠血管のiNOSを誘導し、これらのiNOSにより大量に産生されたNOは心機能障害、心筋細胞障害をきたすと考えられる。NOの過剰発現は心不全をはじめとする各種の病態における心筋収縮性の障害に関与している可能性がある。種々のホスホジエステラーゼ阻害薬にはNO産生抑制効果に差がみられ、強心薬としての作用の差と関係している可能性がある。 心不全の根底にある病態生理学的機序には、サイトカインやNOによる心機能の抑制が関与することが示唆され、心不全薬にサイトカインやNO産生抑制作用があることが明らかとなった。また、心不全の病態の理解には、従来の神経・内分泌系因子のほかサイトカインなどの免疫系因子との相互作用を考えることが重要であることが明らかとなった。
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