配分額 *注記 |
37,400千円 (直接経費: 37,400千円)
1999年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1998年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1997年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1996年度: 16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
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研究概要 |
アデノウイルスベクターの肝移植片に対する遺伝子導入効率を検討する為マーカー遺伝子(大腸菌β-galactosidase)を組み込んだベクターを作製.in-vitroでブタ血管内皮に対して同ベクター(AxCALacZ)を用い遺伝子導入を施行.1×10^3以上のm.o.i,60分間の接触時間を保てば,ほぼ100%遺伝子導入が可能であった.次に生体内ブタ肝臓に対するベクターの投与経路(全身静注,門脈内一回投与,生体内分離肝潅流法)について検討した.また免疫抑制剤併用の有無による遺伝子導入効果も検討した.その結果,生体内分離肝灌流法と全身免疫抑制を組み合わせのみ遺伝子導入が可能であった.ブタの肝臓移植片への遺伝子導入効果を異種移植モデルにおいて検討した.ブタ-ヒトの異種移植の場合,超急性拒絶反応は補体活性化が中心的な役割を果たす.ヒト補体抑制蛋白を発現するブタ肝臓を作製すれば,ブタ-ヒトへの異種肝臓移植における超急性拒絶反応制御が可能になる.まず,ヒト補体抑制蛋白(CD46,CD55,CD59)をコードしたアデノウイルスベクターを作製した.ブタおよびラットの血管内皮細胞に対して遺伝子導入を行い,in-vitroでの補体抑制効果を確認した.in vivoでは生体内分離肝灌流法を用いたヒト補体抑制蛋白遺伝子導入実験よりブタ-ヒトの異種移植モデルにおいて複数の補体抑制蛋白の同時発現が重要であったこと,肝実質域の類洞内皮上での補体抑制蛋白の発現と補体沈着抑制効果が得られた.次にTGF-βやIL-10などの免疫抑制性サイトカインを肝移植片に遺伝子導入し、これを異所性肝移植片として用い移植片拒絶抑制効果を検討した.マーカー遺伝子と同様TGF-β等のサイトカイン遺伝子の全肝に対する遺伝子導入が可能であり,移植片拒絶に対する治療手段となり得ると期待された.
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