研究課題/領域番号 |
08407039
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
渡辺 洋宇 金沢大学, 医学部, 教授 (20019897)
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研究分担者 |
太田 安彦 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (00272964)
小田 誠 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (50224241)
村上 眞也 金沢大学, 医学部, 講師 (20210007)
関戸 伸明 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (10293359)
林 義信 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (00251950)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 肺癌 / FISH法 / 潜在性骨髄転移 / 潜在性リンパ節転移 / MT-MMP / PA1-2 / VEGF / 血管新生 / PAI-2 / p53 / bcl-2 / MT-MMP-1 |
研究概要 |
1) 非小細胞肺癌でのp53蛋白陽性例の予後は陰性例に比し不良であり、特に腺癌においてこの傾向が著明であった。増殖細胞核因子(Proliferating cell nuclear antigen,PCNA標識率)の検討から、p53蛋白陽性肺癌症例の腫瘍増殖能が陰性例に比し高いことも確認した。bcl-2蛋白発現陽性率は扁平上皮癌で有意に高く、扁平上皮癌において蛋白陽性群の予後が陰性群に比し良好であった。 2) 非小細胞肺癌では、u-PAとその関連因子の発現は担癌正常肺に比し癌組織で亢進していることが確認され、u-PAの阻害因子であるPAl-2の発現とリンパ節転移との間に負の相関関係が見られた。PAl-2非発現例は発現例に比し予後不良であり、MT-MMPが高発現例の予後が不良であった。 3) 非小細胞肺癌では接着分子standard form CD44s(CD44s)あるいはvariant form CD44v6(CD44v6)陰性例の予後が陽性例に比し不良であった。CD44sとCD44v6がともに陰性となった群は予後不良であった。CD44の発現の減弱が肺癌の進展と関わる可能性が示唆された。 4) 原発生肺癌における血管新生因子VEGFの遺伝子発現はSolble formの発現が高頻度に認められ、担癌正常肺に比し癌組織での発現亢進が確認された。VEGF陽性例の予後は陰性例に比し予後不良であった。VEGF遺伝子発現とリンパ節転移との相関性が確認され、ヌードマウスを用いた転移モデルにおいて、血管新生阻害剤がリンパ節転移を抑制した。 5) 肺癌組罐におけるThrombospondin-1(TSP-1)陽性群の予後は陰性群に比し不良であった。肺癌組織において、TSP-1発現例のPCNA標識率ならびに腫瘍内血管密度はともに、非発現例に比し有意に高く、肺癌の進展に本因子は促進的に作用する可能性が示唆された。1期治癒切除例による多変量解析にて、TSP-1はVEGF発現とともに独立した予後不良因子であった。 6) サイトケラチン陽牲の癌細胞が肺癌症例の骨髄、さらには従来の組織学的診断において転移陰牲とされたリンパ節においても少なからず存在することが確認され、予後不良因子としての可能性が示された。
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