配分額 *注記 |
25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1997年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1996年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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研究概要 |
本研究は、私達の教室で発見した強力な単球誘導因子MCP-1の遺伝子を腫瘍細胞に導入し、これにより腫瘍内に誘導される単球を運びやとした悪性グリオーマに対する新しいターゲテイング薬物療法を開発することを目的とした。まず、MCP-1遺伝子の悪性グリオーマ細胞への導入については、電気穿孔法をin vivoに応用し、マウスのグリオーマモデルに高率に遺伝子導入することに成功した(Cancer Res,1996,Human Cell,1997)。現在、更に導入効率を上げる研究をおこなっている。また、他のサイトカイン遺伝子を導入し間接的にMCP-1の発現を高める可能性を明らかにした(Int J Oncol,1996))。このようにしてMCP-1の発現を亢進させた腫瘍組織内に血液中から有意に多数の単球が誘導され分布することを認めた(Cancer Res,1996,Int J Oncol,1997,Int Arch All Immunol,1998)。MCP-1遺伝子導入の研究と平行して、誘導される単球のMCP-1受容体の機能を亢進させるための研究を行った。その結果、MCP-1受容体遺伝子の活性化の分子機構を解明することができた(J Biol Chem,1999)。現在活性化を促進する為の研究を行っている。単球に運搬させる薬剤の一つとして、悪性グリオーマの感受性が高いACNUをリポゾームに封入して投与することを検討した(Cancer Res,1996,J Neuro Oncol,1998)。現在、リポゾーACNUを単球に積載することを試みている。以上の研究に随伴して、悪性グリオーマの病態や治療に関して幾つかの研究成果を挙げることができた。
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