研究課題/領域番号 |
08407060
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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研究分担者 |
宇田川 信之 昭和大学, 歯学部, 講師 (70245801)
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
自見 英治郎 昭和大学, 歯学部, 助手 (40276598)
宮浦 千里 昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)
片桐 岳信 昭和大学, 歯学部, 助手 (80245802)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
26,700千円 (直接経費: 26,700千円)
1997年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
1996年度: 15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
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キーワード | 骨粗鬆症 / エストロゲン / 骨吸収 / 骨髄造血 / Bリンパ球 / インターロイキン-7 / 卵巣摘出 / 骨密度 / アンドロゲン / 骨髄 / 骨代謝 |
研究概要 |
エストロゲンが欠乏すると骨吸収が亢進し骨量減少をきたす。卵巣摘出(OVX)マウスでは、骨吸収の亢進と共に骨髄造血が亢進し、未熟なBリンパ球が特異的に蓄積する。本研究では、骨髄Bリンパ球造血と骨代謝の関係の解明を目的とし、Bリンパ球と骨吸収性サイトカインの産生について解析した。また、Bリンパ球の初期分化を促すインターロイキン-7(IL-7)をマウスに投与して、正常卵巣機能のままでBリンパ球造血を亢進させ、骨代謝を解析し、OVXマウスの骨および骨髄造血の変動と比較した。OVXマウスの骨髄において蓄積する未熟なプレBリンパ球をマウス骨髄ストローマ細胞あるいは骨芽細胞と共培養したところ、骨吸収性サイトカインであるIL-6の産生が亢進した。RT-PCR法によるmRNA発現の解析より、このIL-6産生はBリンパ球ではなく、ストローマ細胞あるいは骨芽細胞により産生されること、Bリンパ球の接着がその産生を誘発していることが明らかとなった。また、マウスにIL-7を投与すると、骨髄においてB220弱陽性・μ鎖陰性のプレBリンパ球が増大し、OVXマウスに類似して骨髄有核細胞の48%がプレBリンパ球となった。OVXマウスでは著しい子宮萎縮が起こったが、IL-7投与マウスの子宮重量は正常だった。IL-7投与20日後の大腿骨X線像は遠位骨端海綿骨の顕著な減少を認め、14%の骨密度低下を示し、術後4週のOVXマウスと同等であった。さらに、IL-7の投与により破骨細胞の増加と骨吸収亢進を認めた。また、アンドロゲン欠乏の精巣摘出した雄性マウスでも、骨髄造血と骨吸収の亢進が発現した。Bリンパ球造血亢進による骨量減少は、性ホルモンの欠乏の場合に極めて類似していた。以上の結果より、性ホルモンの欠乏による骨代謝の変動は骨髄の造血環境と密接な関係を有し、エストロゲンやアストロゲンなど性ホルモンのレベルに依存した生殖器の挙動とは解離した作用機構が示唆された。
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