研究課題/領域番号 |
08407062
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田上 順次 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50171567)
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研究分担者 |
中島 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50272604)
稲井 紀通 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70232501)
二階堂 徹 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (00251538)
大槻 昌幸 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (30203847)
佐野 英彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (90205998)
猪越 重久 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60143583)
山田 敏元 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (40134712)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
20,800千円 (直接経費: 20,800千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | レジンボンディングシステム / 連続的3次元解析 / レーザー顕微鏡 / Er: YAGlaser / 〓触象牙質 / 歯頚部磨耗象牙質 / 臨床環境 / マイクロテンサイル試験 / 齲触象牙質 / ウエットボンディング法 / レジンセメント / Er : YAGレーザー / セルフエッチングプライマー / 齲蝕象牙質 / リン酸エッチング / 間接法コンポジットレジンインレー修復 / マイクロテンサイルボンド法 / エナメル質 / 象牙質 / 接着性レジン / 歯面処理 / う蝕象牙質 |
研究概要 |
1 組成、構造的に変化した象牙質に対する接着強さ 歯頚部磨耗症や齲蝕により影響を受けた象牙質面、レーザー照射を行なった象牙質に対しては、接着シスラムの違いにより、接着強さが健全象牙質に比べ、低下する場合があった。 2 酸処理後の象牙質面の連続的三次元解析 リン酸エッチングによる象牙質面の変化は、処理後のエアー乾燥により、脱灰コラーゲン層が大きく収縮する事が判明した。脱灰コラーゲン層に接着性モノマーが十分に浸透するために、脱灰層の収縮を防ぐ方法が理想的であることが示唆された。 3 エナメル質に対する接着性の再評価 セルフエッチングプライマーはリン酸に比べて前処理効果が約40分の1程度であることが判明し、プライマーの繰り返し塗布によりエナメル質に対して十分な前処理を行なうことが臨床上必要である事が示唆された。また、非切削表層エナメル質に対するセルフエッチングシステムの接着強さは、切削エナメル質面に対するそれと比較して有意に低いことが分かった。 4 接着界面の観察 接着界面の樹脂含浸層の厚さと、接着強さとの間には相関は認められなかった。接着強さには樹脂含浸層の厚さよりもその機械的性質が大きく影響すると考えられる。 5 各種臨床的条件が接着性能におよぼす影響 温度、湿度が接着強さにおよぼす影響について検討し、湿度92%の条件において接着強さの著しい低下がみられた。また、セルフエッチングプライマーを用いるシステムにおいては仮封材の影響を受け、非汚染面に対する接着強さに比べて有意に低下した。さらに、歯肉治療の各種薬液(NaOCl.H_2O_2)処理は、セルフエッチングプライマーを用いたシステム以外に接着強さの低下させる作用がみられた。 6 コンポジットレジンインレー修復に対する接着性の評価 コンポジットレジンインレーと窩底象牙質との接着強さは直接充填の場合と比較して低い値を示したが、窩洞形成後内面をレジンコーティングすることにより接着強さが向上することが明らかとなった。 以上のように、被着象牙質の組成や構造、臨床的条件、接着システムの違いにより、その接着強さや、樹脂含浸層の性状は異なることが判明した。今後は、さらに様々な症例、被着象牙質の状態などを考慮し、それに対する最適の修復技法の確立を追究する必要がある。
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