研究課題/領域番号 |
08407073
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (80144450)
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研究分担者 |
西條 将文 (西條 將文) 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90221986)
中津 可道 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (00207820)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
31,500千円 (直接経費: 31,500千円)
1998年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1997年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1996年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | DNA修復 / 転写 / 遺伝疾患 / 色素性乾皮症 / コケイン症候群 / 皮膚発癌 / 遺伝子ターゲティング / RLGS / 遺伝子ターゲッティング / 基本転写 / 紫外線 / 皮膚癌 / ノックアウトマウス / NMR / RPA |
研究概要 |
1) XPA蛋白質は、紫外線、シスプラチンあるいは活性酸素による損傷を受けたDNAに選択的に結合する活性を持ち、NERの損傷認識過程に関与する蛋白質である。また、そのDNA結合ドメインを、蛋白質の限定分解とそれに基づくtruncated XPA cDNAsの作成により同定した。2) XPA蛋白質は損傷DNA結合のみならず、RPA(replication protein A)、ERCC1蛋白質、TFIIHと結合することを明かにした。XPA蛋白質とERCC1蛋白質あるいはRPAとの相互作用により、XPA蛋白質の損傷DNAへの選択的結合能が相乗的に増強し、これらの相互作用が、ERCC1/XPFやXPGエンドヌクレアーゼを損傷部位にリクルートするのに重要であることを示唆した。XPA蛋白質のC末端46アミノ酸残基でTFIIHと結合すること、およびXPA蛋白質とTFIIHの相互作用が障害DNA存在下で増強することを明らかにし、この相互作用がTFIIHを損傷部位に誘導する上で重要であることを示唆した。3) XPA蛋白質の損傷DNAおよびRPA p70 subunit結合ドメインであるMF122の高次構造をNMR法により解明した。MF122は、C4タイプZincフィンガーとαヘリックス・ターン・ヘリックスのサブドメインからなり、C4タイプZincフィンガードメインにRPA p70 subunitが結合し、αヘリックス・ターン・ヘリックスドメインに損傷DNAが結合することを明らかにした。蛋白質が結合するZincフィンガードメインの構造解析としては最初の成果である。4) 新規の蛋白質(XP A-binding protein 2:XAB2)がXPA蛋白質と結合することを見つけた。さらに、XAB2蛋白質はCSA蛋白質、RNAポリメラーゼII/CSB蛋白質複合体とも結合することを明らかにした。そして、抗XAB2抗体を正常細胞にマイクロインジェクションする方法により、XAB2蛋白質が、転写と共役したDNA修復(transcription coupled DNA repair,TCR)や転写機構に必須の因子であることを明らかにした。5) XPの分子病態を解析するため作成したXPA欠損マウスは外観上の異常を示さないが、NER能を完全に欠損していた。そして、低線量のUV照射により皮膚癌を高頻度で発生した。XPA欠損マウスにUV照射し発生した皮膚癌のp53遺伝子の突然変異は正常マウスのそれとは異なり、変異のホットスポットが欠如していること、転写鎖のDNA損傷が突然変異の原因になっていることを明らかにした。XPA欠損マウスは、XP患者における日光紫外線による皮膚癌発生の分子病態を検索する上でよいモデルになることを示唆した。
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