研究課題/領域番号 |
08408002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成田 孝三 京都大学, 文学研究科, 教授 (10047037)
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研究分担者 |
藤田 昌久 京都大学, 経済研究所, 教授 (90281112)
岡田 知弘 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60177053)
足利 健亮 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90026823)
石川 義孝 京都大学, 文学研究科, 助教授 (30115787)
金田 章裕 京都大学, 文学研究科, 教授 (60093233)
金坂 清則 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (00092825)
石原 潤 京都大学, 文学研究科, 教授 (70080265)
応地 利明 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60024212)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
1998年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1997年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1996年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 近畿圏 / 古代の畿内 / 古代の首都システム / 中世畿内の構造 / 近代の近畿 / 日常生活圏 / 行政領域 / 大都市システム / 中小都市システム / システムの歴史的展開 / 計量経済学的接近 / マルクス主義的接近 / アジアの都市システム / 都市システム論 / 中心地論 / 大都市圏 / 中小都市圏 / 先進地域 / 発展途上地域 / 計量分析 / 構造分析 |
研究概要 |
8年度は、1.都市を中心とするシステムについて欧米、日本、アジア・アフリカに関する比較研究を行う、2.地理学の空間分析、マルクス経済学の構造分析、近代経済学の計量分析の統合を目指す、3.日本のシステムについて動態的研究を行なう、という研究の枠組みと分担を決定した。9年度はそれに従って各自がフィールド調査を実施し、報告書の研究発表欄に掲げた成果を得た。10年度は統合の実を挙げるために、近畿圏を共通の対象として研究し、次の知見を得た。1.古代国土システムの構成要素としての近畿圏は、従来説の大化の畿内と天武の畿内の間に、近江を中心とする天智の畿内が存在し、それは三関の範囲に合致する軍事的性格を帯びており、中国の唐制に類似する。2.古代畿内の首都は孤立した一点ではなく、複数の首都ないしは準首都によって構成されており、それは現代の首都移転論をめぐる拡都論にも通じる状況である。3.中世期末畿内の構造変化を本願寺教団の教勢の進展を通じてみると、それは近江・京都・大阪を中核とし、奈良・三重・北陸に広がり、最後に兵庫・和歌山に伸びて現代の近畿圏を覆った。近江が中心となった理由はその生産力と交通の拠点性である。4.五畿七道の区分を踏襲してきた幕藩体制から近代国家体制への転換に伴って、府県を単位とする地方区分が確立した。近畿の範囲は6府県を核とし、場合によっては三重や福井が加わるという形をとった。この構成は現代にもつながっている。5.現代の大阪圏は初め西日本に広がっていたが、次第に縮小して上記の近畿圏に収斂しつつある。また近畿圏の構成単位である各日常生活圏の完結性が弱まり、大阪と京都を中心とする圏域に統合されつつある。それに伴って各種行政領域と日常生活圏との整合性が崩れ、その〈地域〉としての有意性が損なわれるおそれがでてきた。なおバブル崩壊後、中心部の都市地域と周辺部の農村地域との格差が拡大しつつある。
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