配分額 *注記 |
33,200千円 (直接経費: 33,200千円)
1998年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1997年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1996年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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研究概要 |
本研究では,現実世界を対象とした柔軟かつ頑健な画像理解システムを構築するための方法として分散協調処理を取上げ,実世界での応用を目指した分散協調型画像理解システムの開発を通じてその有効性を実証することを目的としている.本研究で得られた成果をまとめると以下のようになる. (1) 画像理解と分散協調処理との関わり方について考察を行い,画像理解システムにおけるどのような構成要素をエージェントと考えるかによって,分散協調型画像理解システムが,(a)分散観測方式,(b)分散解析方式((b-1)機能分散,(b-2)アルゴリズム分散,(b-3)協調型空間推論)のタイプに分類できることを示した. (2) 協調型空間推論方式の具体例として,画像中の個々の領域をエージェントと見なした協調型領域分割システムを開発し,その有効性を実験によって示した. (3) 視点(投影中心)を固定したまま,視線方向を変化させることができる首振りカメラ(視点固定型カメラ)を設計,試作した.また,市販の首振りカメラを視点固定型カメラとして利用するための高精度カメラキャリブレーション法を考案し,その実用的有効性を示した. (4) 視点固定型カメラを用いた実時間対象検出・追跡システムを開発し,対象の運動およびカメラ制御・画像処理に伴う時間遅れを動的に推定する制御によってシステムの追従性・安定性が大幅に向上することを実証した. (5) 視点固定型カメラを備えた観測ステーション群の協調動作により,同一の移動対象を継続的に注視するシステムを開発した. (6) 視点の異なった複数の(固定)カメラで撮影された映像データから,複数対象の動作を認識するための方式として,選択的注視に基づく動作認識法を考案し,人物の入退出動作を例とした実験により,その有効性を示した. (7) 視野を共有しない観測ステーション群で得られた部分的な移動対象情報を相互に交換することによって,対象の広域的な移動軌跡を求めるアルゴリズムを考案し,シミュレーションによってその有効性を示した.
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