研究分担者 |
今村 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40213243)
高橋 智幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40261599)
田中 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30171755)
箕浦 幸治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10133852)
|
配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1996年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
研究概要 |
土砂の移動量を浮遊砂と掃流砂に分けて求めて計算を一様勾配斜面において基礎検討を実施し,この中で使用されている重要なパラメータとして流体中(海水中)の最大土砂濃度(Cs)や巻き上げに関する鉛直拡散係数がある.鉛直拡散係数は浅井・高橋(1998)による実験結果を引用することもでき,また,応答解析の結果でも範囲(0.001〜0.2)では,海底の変化は小さいことがわかった.一方,最大土砂濃度(Cs)による堆積量の違いは大きいことが判明した.これは,海水中に存在し得る土砂濃度(Cs)が大きいほど浮遊砂量が増大し,一旦巻き上げられた土砂が流れにより移動し易くなり,特に陸上部への堆積に寄与することが判明した.このCs値は,土砂の沈降と土砂を浮遊させる能力(乱流)に大きく関係していると考えられ,これに関する研究があるが室内実験に留まっているために,本ケースのような実際の現場で,しかもシールズ数がかなり大きいと思われる状態に適用することはできない.次に実際に,固定床での入射波条件を用いて,入間での移動床計算を実施した.全体的に海域で侵食傾向,陸側で堆積傾向であることが分かった.これは,押し波で入射した津波が,湾口の狭いしかも両側が切り立った入間湾に入ると,急縮の効果により流速値を増加させ,そこでの巻き上げ量を大きくして,陸上に運んだものと思われる.入間湾の地形は,今回の大規模堆積の原因の1つである.一方,Cs値の変化により地形が大きく変化していることも事実である.ただし,陸上部での堆積状態はほぼ同じである.現地調査で得られた70万m^3付近の堆積量を再現できたのは,0.3の時であった.従って,この程度の最大土砂濃度を仮定すれば大規模土砂移動をある程度再現できることがわかった.
|