研究課題/領域番号 |
08408025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 公綱 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134502)
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研究分担者 |
新田 至 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30272404)
河合 剛太 千葉工業大学, 工学部, 講師 (70211860)
上田 卓也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80184927)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 動物ミトコンドリア / イン・ビトロ翻訳系 / 変則暗号 / tRNA / Wobble 則 / 修飾塩基 / アミノアシルtRNA合成酵素 / ペプチド鎖伸長因子 / 非普遍暗号 / Wobble則 / ホルミルトランスフェラーゼ / セリル-tRNAシンテターゼ / イン-ビトロ翻訳系 / AVAコドン / クローバ葉型構造 |
研究概要 |
本基盤研究の目的は、(1)動物ミトコンドリアtRNAの構造解析と、(2)ウシ・ミトコンドリアのイン・ビトロ翻訳系の構築によるこれらのtRNAの翻訳活性の検証を通して、動物ミトコンドリア(mt)の翻訳システムの分子機構を解明することである。その翻訳システムは、原核細胞や真核細胞の細胞質におけるシステムとはかけ離れた顕著な特徴(異常な2次構造をもつtRNAと変則暗号の存在、tRNAが22種類しか存在しない、開始と伸長兼用のtRNA^<Met>、リボソームはRNAが短く、蛋白が多い、など)を持つことが主としてmtゲノムの塩基配列の解析から推定されていた。我々は翻訳システムの個々の構成成分を単離し、characterizationすることにより、以下の知見を得た。 1) mt・tRNAの変則暗号解読機構ーー種々の生物のmtで変則暗号を見出し、それらを解読するtRNAを構造解析した結果、主としてアンチコドン1字目(Wobble位)の塩基(多くは修飾塩基)により暗号変化が引き起こされることを突き止め、ミトコンドリア独自のWobble則を確立した。 2) ミトコンドリアtRNAの機能構造ーー生化学実験と^1H-NMR測定を組み合わせて、DアームやTアームを欠く異常な2次構造をもつtRNAでもL型に類似した立体構造を取り得ることを立証した。 3) in-vitro翻訳系を用いた暗号解読機構の検証ーーmt成分のみからなるin-vitro翻訳系を構築し、これを用いてAUA(イソロイシン)コドンがf^5Cという修飾塩基をWobble位に持つtRNA^<Met>によってメチオニンに翻訳されることを実証した。 4) アミノアシルtRNA合成酵素、ペプチド鎖伸長因子、解離因子ホルミルトランスフェラーゼ等の因子類単離精製し、キャラクタリゼーションし、大腸菌での大量生産系を確立した。それら因子類とtRNAとの相互認識機構を解析した。
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