研究課題/領域番号 |
08409005
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 淳 大阪大学, 医学部, 教授 (90028598)
|
研究分担者 |
井上 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (60263282)
渡部 眞三 愛知県コロニー発達障害研究所, 主任研究員 (10093486)
小阪 淳 大阪大学, 医学部, 助手 (40243216)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
41,300千円 (直接経費: 41,300千円)
1998年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1997年度: 13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1996年度: 21,400千円 (直接経費: 21,400千円)
|
キーワード | 網膜神経節細胞 / 軸索再生 / 軸索変性 / Y,X,W細胞 / 機能分化 / 受容野構造 / 細胞変性 / 暗環境飼育 / 神経栄養因子受容体 / in situ hybridization / パターン反転網電図 |
研究概要 |
1.ネコの再生視神経線維の視覚情報伝達機能:成ネコの視神経切断端に坐骨神経を自家移植し60日から90日後に移植片から再生軸索の単一ニューロン活動を記録し光受容野特性を決めたところ、その殆どがY・X・W細胞のいずれかに分類され、とくにY細胞の頻度が多かった。2.ネコ軸索再生神経節細胞のON中心型、OFF 中心型の同定:移植ネコの網膜神経節細胞への色素注入によって、内網状層での樹状突起の分枝を調べ、形態学的にON中心型かOFF中心型かを判定した。ベータ細胞およびガンマー細胞においては、生理学的結果と一致して、ON中心型細胞の出現頻度が高かったが、アルファー細胞の場合には、予想に反してOFF中心型が優位であった。3.ネコ視神経再生への生存視覚環境の影響:移植ネコを暗黒環境で飼育すると、明暗環境で飼育したものに比べ、軸索再生細胞が少ないのみならず、形態学的に変性像を示す細胞が多く、視神経の再生には光飼育環境が重要であることが分かった。4.神経栄養因子の細胞死阻止と再生促進効果:ネコの視神経切断後に眼球内に脳由来栄養因子(BDNF)、グリア細胞由来栄養因子(GDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)を投与すると、非投与群に比べ、2週間後に生存する網膜神経節細胞の数が有意に増加し、その効果は特にベータ細胞で著明であった。またこれらの栄養因子にさらにforskolinを添加した系では、軸索再生も促進された。5.ネコ視神経切断後の網膜神経節細胞の細胞死の経過と情報処理機能:形態学的研究では、ベータ細胞では視神経切断後一週間でほぼ80%が死滅するが、アルファー細胞では2週間でも約70%が生存する。生理学的記録では、視神経切断後5日ではY型細胞 ・X型細胞ともに受容野径が縮小したものが出現するが、いずれも記録された。しかし、視神経切断後14日ではY型細胞しか記録されず、それらの受容野径はむしろ正常範囲にあった。
|