研究分担者 |
堀 賀貴 山口大学, 工学部, 講師 (20294655)
坂井 聰 (財)古代学協會, 古代学研究所, 助教授 (20215586)
中井 義明 同志社大学, 文学部, 助教授 (70278456)
江谷 寛 (財)古代学協會, 古代学研究所, 教授 (90223651)
角田 文衛 (角田 文衞) (財)古代学協會, 古代学研究所, 教授 (70072709)
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配分額 *注記 |
33,600千円 (直接経費: 33,600千円)
1998年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1997年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1996年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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研究概要 |
ポンペイ遺跡の発掘及びその研究は1748年以来既に250年の歴史を持っているが,最近におけるポンペイ研究の最も重要な課題の一つはポンペイ都市の起源から79年のウェスウィス火山の噴火による埋没までの歴史的発展と,郊外の都市領すなわち農村地域における社会・経済的活動の解明である。これらの問題を解決するため本研究の研究員が所属している(財)古代學協會・古代學研究所はポンペイ遺跡の一角に位置するといわれてきた『カプア門』の発掘調査を行ってきた。本研究は従来のポンペイ研究の成果と,調査により検出された塔及び城壁の発掘結果を総合的に研究し,ポンペイ都市の形成過程を解明した。本研究の成果の1つは,ポンペイ都市域が従来言われてきたように段階的に拡大発展してきたのではなく,前6世紀に一挙に成立した者であり,その都市域の中で先ずフォルム(中央広場)地域を中心にして定住地が成立し,ついで北方,更に東方の地域に定住地が拡大したのではないかという結論に達した。 他の1つは,農村地域におけるウィッラ(農業屋敷)の発掘成果を利用し,ウィッラの構造をその歴史的変化発展,労働機構,フレスコ絵画等を研究した結果,それらのウィッラの大半は葡萄酒やオリーブ油を製造し,その経済活動が古代ローマ都市ポンペイの有力な財源であったことを明らかにしたことである。 またわが国に於いてその発達が近年著しいコンピュータによるデータ処理技術を利用し,とくに城壁や塔の建築構造,および歴史的発展の観点から見た建築技法の分析を,大量の写真画像データを基に行うことが出来た。また,これらの写真画像データを始めとする多くの写真を,フォトCDの形でデジタル化した。
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