研究課題/領域番号 |
08451088
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河瀬 正利 広島大学, 文学部, 教授 (30093743)
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研究分担者 |
安間 拓巳 広島大学, 文学部, 助手 (40263644)
藤野 次史 広島大学, 文学部, 講師 (20144800)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 製鉄 / 炭窯 / 木炭 / 大炭 / 小炭 / 窯内消火法 |
研究概要 |
製鉄場で使用する木炭には、製鉄炉で使う大炭と精練場(鍛冶場)で使う小炭の2種類があった。大炭は、製鉄炉のなかに砂鉄と交互に装入し、時間をかけて加熱還元するためのものであった。一方の小炭は、鍛冶場で銑から錬鉄(鉄素材)を製造する時に使用した。江戸時代後期に下原重仲が著した製鉄の技術書と呼べる『鉄山必用記事』(通称は「鉄山秘書」と呼ぶ)による大炭用材にはマツ、クリ、マキが最上とされ、30年以上を経た太い材を使用することが多かったとされている。製鉄に使用する大炭の消費量は膨大な量におよび、江戸後期の史料によると1回の作業に使用する量は、砂鉄約15トンに対して大炭もほぼ同量の約15トンを要したとされている。江戸時代のたたら吹製鉄場の選定にあたっては、製鉄所の近くに薪炭林が存在することが不可欠であったといわれた所似もこの点にある。 本研究では、たたら吹製鉄の大きな要素であった木炭の製造法とその歴史的な意義などを考古学的な手法によって解明することを目的とした。 研究では、まず、古代から近世にいたる製鉄用木炭窯の既存の調査資料の収集を行った。ついで木炭窯の構造やその変遷を明らかにするためにいくつかの本炭窯跡の発掘調査を行った。発掘調査は、古代から中世ならびに近世の築造と推定される遺跡について実施した。各々が時代毎の特徴を示しており、木炭窯の推移を明らかにする上で良好な資料が得られた。また、伝統的な木炭製造を行っている現場での窯の築造法についても聞き取り調査ができ、木炭製造の歴史を明らかにするための貴重な資料を得ることができた。木炭の製造、使用と人間の生産諸活動との研究は今後の課題として残ったが、今後も引き続き調査研究を継続することによって追求していきたい。
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