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19世紀英国散文に見られるロマン主義精神

研究課題

研究課題/領域番号 08451098
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 英語・英米文学
研究機関東京大学

研究代表者

富士川 義之  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20083264)

研究分担者 HUGHES G.E.M  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 客員教授 (10281700)
大橋 洋一  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (20126014)
高橋 和久  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10108102)
HUGHES G.E.H  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 客員教授
研究期間 (年度) 1996 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
キーワード自己劇化 / 仮面 / ロマン主義 / リアリズム / 帝国主義 / 成長 / 教養小説 / フランス革命
研究概要

ロマン主義は19世紀のイギリス文化を支配する最も特徴的な思潮であるが、その特質を規定する作業は19世紀前半の詩の分野に偏って行われており、ここでは19世紀中期からさらに世紀末まで範囲を広げ、また対象を詩から散文に変えて、考察を行った。例えばヴィクトリア朝を代表する小説を生んだブロンテ姉妹は、シャーロットの『ジェイン・エア』やエミリーの『嵐が丘』といった代表作において、他にあまり例をみない独特の語りの装置、言い換えれば、自己劇化そのものをテクスト化しているとも読める奇妙な語り手を、設定しているが、これは、彼女たちの子供時代、即ちロマン主義詩の最盛期に愛読した『ブラックウッズ・マガジン』に不定期連載という形で掲載されて評判となった『アムブローズ館夜話』に反応した可能性が少なくない。ここではロマン主義的な文学議論を含む架空の談話が、実在の人物をモデルにした仮面によって進行しているからである。また「仮面」を最も積極的に利用したと言っていい世紀末作家オスカー・ワイルドはゾラの自然主義・リアリズム小説を批判したが、そこで「ロマン主義」という概念を持ちだしていることも、これが様々の意味の変容を蒙りながらも19世紀全般にわたって広く流布し、影響力を持った概念であることが分かる。しかし19世紀が典型的な帝国主義の世紀であることを考えると、以上の事実はまたロマン主義精神と帝国主義的精神の隣接性も暗示し、実際、機会仕掛け・実物主義のスペクタクル演出とロマン主義から継承された「驚異の美学」を備えたヴィクトリア朝の演劇空間の実態を調査すると、逆説的に観客の舞台への没入を遮断し,観客に舞台そのものを,劇場そのものを見せる「劇場性」を実現することによって、このような劇場性によって生ずる観客の主体としての位置は,世界を視線の権力によって征服する帝国主義的主体のそれときわめて近づくことが明らかになる.

報告書

(4件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (17件)

  • [文献書誌] 高橋和久: "エトリックの羊飼い-或いは羊飼いのレトリック(23)" 英語青年. 144・11. 640-642 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 高橋和久: "エトリックの羊飼い-或いは羊飼いのレトリック(24)" 英語青年. 144・12. 762-764 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takahashi, Kazuhisa: "' "The Ettrick Shepherd" , or the Rhetoric of a Shepherd (23) '" Eigo Seinen (The Rising Generation). 144-11. 640-642 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takahashi, Kazuhisa: "' "The Ettrick Shepherd" , or the Rhetoric of a Shepherd (24) '" Eigo Seinen (The Rising Generation). 144-12. 762-764 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 高橋和久: "エトリックの羊飼い-或いは羊飼いのレトリック(23)" 英語青年. 144・11. 640-642 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 高橋和久: "エトリックの羊飼い-或いは羊飼いのレトリック(24)" 英語青年. 144・12. 762-764 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 富士川 義之: "黄金の杖 I〜V" 大航海. 14-18. 14,14-19,17 175,156-182,161 178-184 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 富士川 義之: "フレイザーとフロイト I・II" 大航海. 19-20. 153-159 164-170 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 富士川 義之: "ワイルドの芸術論 I" 大航海. 21. 180-185 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] G.E.H.Hughes: "Questions and Conflicts : Purgatory and the "Vision" Papers" W.B.Yeats and His Connections (ソウル・イエ-ツ協会). 165-179 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] G.E.H.Hughes: "Scandalons-Matters : O'Faolain,Bowen and the Art" The Harp. 12. 113-121 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 高橋 和久: "「エトリックの羊飼い」-或いは、羊飼いのレトリック-(12)" 英誌青年. 143・12. 712-714 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] G.E.H.Hughes(編): "Corresponding Powers" Boydell and Brewer, 248 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 富士川義之: "世界の中の英国,「タンホイザー伝説-異端者の系譜」" 25-48 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 高橋和久: "文学の境界線,「歴史を縁取るもの・歴史の周縁にいるもの」" 57-91 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] G.E.H.Hughes: "Enlightenes Groves,‘Only tolerable in impassioned moments'" 276-288 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] G.E.H.Hughes(ed): "Corresponding Powers" Corresponding Powers, (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2021-04-07  

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