研究分担者 |
大和 一夫 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助教授 (30022677)
安本 雅洋 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助教授 (10144114)
江尻 典雄 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助教授 (80145656)
塩田 昌弘 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (00027385)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
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研究概要 |
2年にわたる本研究では,代表者の構成した,幾何構造の間の関係を与えるツイスター・ダイアグラムを,外微分形式の包合系の理論の立場より研究し,現代素粒子論,場の理論との関係を明きらかにし,古典力学及び量子力学への応用を目的として考えた.特に,3階の常微分方程式,射影構造,Grassmann構造,球面接触構造等,それぞれの個別の構造を精密に調べ,各構造の関係を与えるツイスター理論として,まとめあげ,一つの構造の方程式が他の構造において,いかに簡単な方程式に移るかを研究した. 実際に,次のような役割分担により,それぞれ詳しく調べた.微分可能な力学系の研究(大和,佐藤猛).いろいろな構造の微分形式論による研究(塩田,江尻,井関).ツイスター理論の解明(佐藤肇,向井,江尻).場の量子論の研究(土屋).数学基礎論からの研究(安本,古田).電子計算機によるデータの数値解析(全員). 具体的な成果として,代表者は吉川敦子との共同の研究で,3階の常微分方程式の相空間での接触同相による同値問題を研究し,その完全不変量が,2つの曲率によって表されることを証明し,その具体的な形を決定した.それは,ツイスター理論により,相対論の幾何学とも結びつき,射影接触幾何という新しい幾何構造の基礎付けを与えることとなった. また代表者は2階常微分方程式系の幾何学理論と関係するGrassmann構造を研究し,その半平坦性とヌル束のなすツイスター構造の関係を明らかにした.
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