研究課題/領域番号 |
08454042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 陽一郎 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20033889)
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研究分担者 |
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
河合 隆裕 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027379)
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50134466)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1996年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | ランダム行列 / カオス / 流体力学的極限 / 漸近理論 / 特異摂動 / 固有値分布 / 点過程 / 古典量子対応 |
研究概要 |
カオスの研究は既に国内においても15年以上が経過しているが、まだ本質的な諸問題が未解決である。本研究では、その1つであるいわゆる量子カオス、即ち、カオス力学系における古典・準古典・量子対応への貢献を期待しつつも、3つの方向での関連する数学的な諸問題とその構造の解明を目脂した。 1)離散系における類比、および、2)跡公式の拡張については、高橋はLi-Yorkeのカオス概念のもつ1つの意味を明らかにし(馬場、久保と共著)、また、白井朋之(学振特別研究員)はGutzwillerの跡公式の離散版が厳密に成立することなどの注目すべき成果を得た(発表準備中)。 3)多体系の流体力学的極限と極限の方程式の解析(含 数値解析)については、分担者の多くがそれぞれの立場からの接近を試みた。一方で、大木谷による発達した乱流のリャプノフ指数の計算(山田と共著)、岡本・阪上のvortex sheetのroll-upや室田達のsoil shearの分岐理論的な研究(池田と共著)など、他方で、河合・竹井による特異摂動の厳密理論等はそれぞれに示唆的であり、今後の研究の発展に寄与するものと考えられる。高橋は、確率解析における漸近理論、とくに振動積分に関する最新の研究成果の情報を研究会を主催して収集するとともに、約15年前の結果に簡明な証明を与え(原と共著)、量子カオス研究の出発点の1つであったランダム行列の固有値分布に関する諸結果を確率解析的な立場から多粒子系の流体力学的極限として点過程の立場から整理し、進展させることを試みた(一部はOberwolfach研究所にて口頭発表)。とくに、古典的なSzegoの結果の拡張ともいえるJohanssonによる結果(1995)に着目し、Cauchyの特異積分の定める二次形式の確率解析的な意味を追究しつつある(名大の千代延と共同研究)。
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