研究課題/領域番号 |
08454047
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 助教授 (90187401)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 粒子加速 / 量子電磁気学 / 磁気圏 / パルサー / X線 / ガンマ線 / 専用計算機 / プラズマ / 中性子星 / 電子陽電子対 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
パルサー磁気圏における粒子加速の機構に関する研究では、従来、軸対象を仮定するものが多かった。実際のパルサーにおけるのと同じに、磁化軸と回転軸が斜になる場合の解析は恐ろしく複雑だったためである。本研究の中心的な役割は、軸対象からはなれた完全に三次元の問題を扱うことであった。そのためには、大規模な数値計算も行なうが、これは専用計算機を用いることにした。(並列型のスーパーコンピュータを用いるもう一つ別の選択でなくパイプライン型の専用計算機を用いる点でもこの研究はユニークである。) (1)磁気圏の磁局近傍の電場形成の過程が、三次元的な効果でどのように変わるかを解析的に研究した。磁化軸と回転軸が斜の場合、回転軸に近づく方にまがる磁力線と遠ざかる方に曲がる磁力線が現われる。従来は近づく方に曲がる磁力線でのみ粒子加速が生じると思われていた。しかし、この研究によって実は磁場の曲がり方に関係なくある特性電流密度を越える電流が流れさえすれば電場加速が起こることが示された(Shibata,1997)。その加速は電子陽電子対を作るに十分であることも示された。 (2)非軸対象の場合、磁気圏が回転すると変位電流による磁場の変形が生じる。また、回転する電子あるいは陽電子のプラズマの対流電流も重要である。この両方を考えて、磁化軸と回転軸が直交する場合の磁場構造を求めた。このために非軸対象の場合のfrans-field equationを数値積分した(Mestel & Shibata,1998 in preparataion)。 (3)専用計算機を用いて完全に三次元の磁気圏の静電粒子コードを開発した。これによって、パルサーの周りの電子陽電子プラズマの運動を解析できるようになった。この研究課題の最大の成果とも言える。これまでに、磁気圏内のプラズマの加速がシュミレーションされてる。若干の解釈の問題を解決し、発表する予定である。専用計算機は、重力多体問題用(Harp-3)であるが、これをクーロンカに適用しプラズマの粒子コードとした。 予算面においては、一部を海外の共同研究者の旅費に充て、日本で共同研究を行ないたいへん有意義であった。一方、計算機の維持管理に係る費用は予想以上に大きく予算は不足した。
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