研究課題/領域番号 |
08454070
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 助教授 (90167536)
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研究分担者 |
山上 隆正 文部省宇宙科学研究所, 助教授 (40013718)
笠原 克昌 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (00013425)
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90271361)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | ガンマ線 / 宇宙線 / 高エネルギー / シンチファイバー / 気球 / 多アノードホトマル / パルサー / 活動銀河核 / マルチアノードホトマル / CsI |
研究概要 |
将来の衛星観測の準備研究として、気球搭載用ガンマ線観測装置の開発を行ない、加速器テストなどによってその性能の確認を行った。この研究で開発した装置は、シンチファイバーを多アノードホトマルで読み出す方法により電子対創生を検出し、セグメント化CsIカロリメータでエネルギーを測定するという原理にもとずく。この装置は、従来のスパークチェンバーを用いた装置にくらべて特に以下の利点をもつ。1)装置がコンパクトになり大きな立体角がえられる、2)ガスを利用しないのでスペースでの観測に適している、3)死時間がほとんどない。この結果、現在のEGRETに比べてほぼ同じ重量で、約1桁大きな観測装置の製作が可能である。 シュミレーションによる装置の最適化をおこなったあと、装置の基本部分の製作を行い、加速器で各部の性能テストを行なった。原子核研究所のESビームを用いたカロリメータの性能テストでは、エネルギー分解能と位置検出機能についてほぼ設計性能を実現していることが確認できている。また、CERNの陽子ビームを用いた飛跡検出部の性能テストでは、2mm角のシンチファイバー16本を16アノードのコンパクト型ホトマル(HamatsuH6568-01)で独立に読み出すシステムのテストを行った。この結果、最小電離損失粒子をほぼ100%の効率で検出出来ること、位置分解能が約0.6mmであることが確認されている。この性能は、単に電子対創成の検出を保証するだけでなく、電子対のパターンを用いた高速トリガーが可能であることを示している。したがって、特別なアンチコインシデンスシステムがなくても、高精度のバックグラウンド除去が可能である。 現在、気球搭載ための外部装置と、多チャンネル用の高集積ADCの製作をおこなっており、1,2年内には気球観測が実現できる見込みである。
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