研究課題/領域番号 |
08454096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志賀 正幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026025)
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研究分担者 |
中村 裕之 京都大学, 工学研究科, 助手 (00202218)
和田 裕文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80191831)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 価数揺動 / 近藤格子 / 磁気体積効果 / 磁歪 / 3端子容量法 |
研究概要 |
1. YbInCu_4,YbAgCu_4,YbAuCu_4の磁歪の測定と解析 YbInCu_4の磁歪を測定するとともに、典型的な近藤格子化合物YbAgCu_4 及び典型的な局在モーメント系化合物YbAuCu_4の磁歪を測定した。その結果、全ての試料について、体積磁歪、異方性磁歪とも磁場の2乗に比例することがわかった。その内、体積磁歪は全て負の値を示すが、その大きさは、局在モーメントレジームと近藤レジームあるいは価数揺動レジームで大きく異なることがわかった。dV/V=C・(χH)^2として、結合定数Cを評価すると、近藤領域であるYbInCu_4およびYbAgCu_4の低温部ではC〜10^<-3>(μB^<-2>),局在モーメントレジームにあると考えられる、YbAuCu_4の全温度領域、YbInCu_4およびYbAgCu_4の高温領域ではC<10^<-4>と1桁以上小さいことを見いだした。負の体積効果を説明するため、従来のf-c混成の体積依存性では説明できず、4f電子数の変化を考慮しなければならないことを明らかにした。 2. EuNi_2(Si_<1-x>Ge_x)_2の磁歪の測定 東京大学物性研究所高磁場施設を利用してEuNi_2(Si_<1-x>Ge_x)_2の磁歪を最高磁場40Tまで測定した。その結果、メタ磁性転移を起こすx=0.82試料を除き、体積磁歪は磁化Mの2乗に比例し変化するがその符号は正である。結合定数は局在モーメント反強磁性体領域(x>0.85)ではC〜10^<-5>価数揺動領域(x<0.8)ではC〜10^<-3>、YbCu_4系とほぼ同じ値をとるという興味深い結果を得た。この結果は、磁場により4f電子数が変化するとしたICFモデルで説明出来ることを示した。 以上の結果を総合することにより、一見全く異なったメカニズムにより生じていると考えられている2つの系の価数転移や近藤状態の形成が磁気体積効果を通して見ることにより、共通の因子に支配されていることが示唆され、今後理論的な裏付けが期待される。
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