研究課題/領域番号 |
08454104
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐野 雅己 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (40150263)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1996年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
|
キーワード | 散逸大自由度系 / ベナ-ル対流系 / 熱対流系 / 神経ネットワーク / 培養神経細胞 |
研究概要 |
散逸大自由度系が示す複雑さの一つの典型は、アクティブな要素が多数相互作用することから生ずる複雑さであり、他の一つの典型は、系が自発的に階層性を形成し、しかも強い非線形性を有するため要素に分解できないことから来る複雑さである。共通する困難性は、どちらも強い非線形性と大自由度を有することであり、非線形振動やカオス的ダイナミクスが関わってくる複雑系の典型的な系である。 この問題に実験的にアプローチするために我々は、2つの典型的な実験系を取り上げた。一つは、後者の典型例であり、熱乱流の発達乱流における普遍的法則を探求するもので、これまで全く未知であった、低プラントル数流体(液体金属やプラズマ)の発達乱流状態を形成し、乱流の統計量やスペクトラム、境界層の構造などを初めて計測した。3つのセルを製作することによりレーリー数で10^5から10^9という高範囲の乱流状態を実現した。その結果、従来知られていた高プラントル数流体の熱乱流のスペクトラムと大きく異なる結果を得た。特に、熱境界層と粘性境界層の逆転という新しい現象を見い出した。また、温度ゆらぎ時系列の新たな解析から熱乱流に特徴的なプルームが存在しない証拠を初めて示した。 他の一つは、前者の典型例として、局所的な相互作用を行なうアクティブ要素系の例として培養神経ネットワーク系の実験を取り上げた。ラットの胎児の大脳皮質の神経細胞をコーティングしたシャレ-の上で培養することに成功し、神経細胞に特異的に染色するモノクロナール抗体を用いてできあがったネットワークの構造を調べた。また、顕微鏡下で温度、CO_2濃度を制御する実験システムを製作し、カルシウムの光学測定による集団活動の計測が可能になった。今後引き続き計測と解析を行なう予定である。
|