配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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研究概要 |
フィリピン海プレートの収束運動を議論する目的で,伊豆諸島の神津島,三宅島,八丈島および銭州岩礁においてGPS観測を1996-1999年に実施した.また,神津島,三宅島,八丈島において火山活動に伴う地殻変動を検出する目的でこれらの島内に稠密なGPS観測網を設置し,同様にGPS観測を反復実施した.その結果,以下のことが明確となった. 1.プレート境界となる駿河トラスからわずか50kmしか離れない銭州岩礁では,プレートモデルから推測されるプレート収束運動と慨してよく一致する水平変動ベクトルが観測された.しかし,観測期間によっては,水平変動ベクトルに時間的なゆらぎが観測されている.一方,八丈島などでは定常的にプレート運動モデルと一致する水平変動が観測されている.ゆえに,プレート境界近傍ではプレート収束運動に時間的なゆらぎが存在することを示唆する。地震観測から,銭州海嶺東側でのプレートの新たな沈み込みも示唆されているが,銭州岩礁において観測された水平変動は新たな沈み込みに否定的な結果を意味する. 2.神津島では火山性の地殻変動と考えられるローカルな地殻変動が島内の稠密GPS観測網から観測された.勿論,観測される水平変動ベクトルにフィリピン海プレートの動きも含まれており,モデルなどの比較から,プレート運動を取り除き,ローカルな地殻変動を抽出した.そして,ローカルな地殻変動からその圧力源を推定すると島北東部から北島沖の深さ2km前後に求まる.神津島では最近1000年間,噴火活動が記録されていないにもかかわらず,地殻変動などの火山活動は活発と考えられる. 3.三宅島においても稠密GPS観測を実施し,1983年噴火跡を中心に膨張の地殻変動が観測された.しかしながら,その変動量は年間1cm程度にすぎない.また,八丈島では地熱活動が活発な八丈三原山を中心にローカルな変動が観測された.
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