研究概要 |
本研究は敦賀湾から琵琶湖北方にかけての近畿三角帯北部地域に分布する後期第四紀の地層の層序・年代を詳細に明かにし,蓄積された三方五湖と琵琶湖の盆地底の堆積物との対比を明かにし,後期第四紀における平均的な隆起沈降速度を推定する.さらに,地形解析を通じて,地表での活構造の動きを推定するとともに,重力などによる地下構造調査結果と総合して,この地域のテクトニクスを明らかにすることを目的としていた.本研究は下記のとおり進められた. (1) 既存資料の検討,資料収集整理を,特に三方五湖地域と琵琶湖西岸地域(平成8年度)花折断層地域,養老・柳ケ瀬断層地域,鈴鹿山地東縁断層地域(平成9年度)について行なった. (2) 空中写真による地形判読を三方五湖地域,琵琶湖西岸地域花折断層地域,養老・柳ケ瀬断層地域,鈴鹿山地東縁断層地域について行い,その成果が都市圏活断層図京都東北・京都東南地域として報告された. (3) 野外調査,トレンチやボーリング調査を行い,炭素14年代測定結果および火山灰対比から,上下変位速度の見積りを琵琶湖西岸,花折断層,三方断層,鈴鹿東縁断層について行い,活動度の推定がをできた. (4) 上下変位量が明かにできる断層に直交した測線での反射法地震探査の結果を報告するとともに,精密重力測定を行い,断層近傍の詳細地下構造の解析が可能になった.
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