配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
研究概要 |
マントル珪酸塩高圧相とマグマ間の元素分配関係と固体液体内での元素拡散は,地球内部での溶融によって生ずる化学的分別作用の様式を決定する重要な物質科学的情報である。また,分化した物質の地球内部の再混合時間スケールは,流動特性と固体状態での拡散に支配され,これらは統一的に理解される必要がある。高圧下での元素分配関係の研究は,実験地球化学の古典的な課題であり,高温発生に利点を持つピストンシリンダー装置やマルチアンビル装置によって数多くの実験的検討がなされている。しかし,10GPa,2000℃を越える領域での,高圧相鉱物とマグマの元素分配係数は,データの蓄積が十分でなく,地球深部分化の定量的議論の障害となっている。一方,拡散係数に対する圧力依存性や高圧相鉱物の拡散係数は,研究例が少なく主要造岩鉱物について,極一部の元素の挙動が知られているにすぎなかった。本研究は,高温高圧実験により,マントル珪酸塩高圧相とマグマ間の元素分配関係と固体液体内での元素拡散を系統的に決定し,これらの基礎データに基づいて,地球化学進化における地球内部の溶融分化過程と再混合過程の役割を明らかにすることを目的とした。このために,我々のグループは,マルチアンビル型高圧装置を使って,広範な珪酸塩系の相平衡関係,溶融関係および主要珪酸塩高圧鉱物の元素拡散に関する実験的研究を行い,地球内部の化学進化,ダイナミクスへの貴重な制約を得ることに成功した。
|