研究課題/領域番号 |
08454172
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村井 久雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50142261)
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研究分担者 |
岡田 恵次 大阪市立大学, 理学部, 教授 (50152301)
前田 公憲 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70229300)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | スピンダイナミックス / TMPD / 光電導検出磁気共鳴法 / 過渡吸収検出磁気共鳴法 / ラジカルイオン対 / Xanthone / 光誘起電子移動反応 / ESR / コンタクトラジカル対 / 電導検出磁気共鳴法 / 交換相互作用 |
研究概要 |
本研究の目的は、凝縮相光化学反応系におけるラジカルイオン対のスピンダイナミックスと未だ明らかにされていない準安定コンタクトラジカル対の生成を明らかにすることである。 平成8年度)時間分会光伝導検出磁気共鳴法と過渡吸収検出法を組み合わせ、TMPDのアルコール溶液における光イオン化反応過程で生じる中間体ラジカルイオン対の反応ダイナミックスを研究対象とした。ESR共振器内における、レーザーパルス光照射後の過渡的光伝導変化から、TMPDのカチオンと溶媒和電子によるラジカルイオン対検出の試みに成功した。本手法におけるラジカルイオン対の観測は世界的に例を見ない。この系に関して、ESR共振器内における過渡吸収検出を試み、得られたスペクトルと時間変化がラジカルイオン対によるものであることが確認できた。このスペクトルの線幅は異常に広く、イオン間の交換相互作用のような強い相互作用を反映しているものと結論づけられた。すなわちコンタクトに近い状態まで接近して運動しているラジカルイオン対であると思われる。スペクトルの詳細な理論的解析を行った。 平成9年度)本光伝導検出法されにを、キサントンとジェチルアニリンの系における光誘起電子移動反応へ発展させ、成功をおさめた。緻密な定量実験の結果、生じたラジカルイオン対の寿命は200ナノ秒と非常に長いことが今回の研究から明らかとなり、その長居寿命の原因が溶媒分子とラジカルイオン対によるネットワーク形成に起因すると結論づけることができた。また、観測されたスペクトルにはESRの禁制遷移のスペクトルが観測され、このことはイオンラジカル間の距離の揺らぎにより瞬間的にコンタクト状態にまで接近していることを示す証拠となった。
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