研究課題/領域番号 |
08454194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | フラーレン / ラジカル / 求核試薬 / ケイ素 / ケイ素化フラーレン化合物 / 機能材料 / 1,2-付加 / 1,16-付加体 / シリルアニオン / 1.16-付加 / 電子移動 / ラジカル反応 / オクタフェニルシクロテトラシラン / オクタフェニルシクロテトラゲルマン / ジシラアントラセン / シリルリチウム |
研究概要 |
フラーレン化学においては、ラジカル及び求核試薬における反応がよく知られている。しかしながら、ケイ素を用いた反応ではいずれも全くない。この反応がケイ素化フラーレン化合物の合成に広く応用されるなら、その新しい機能材料の合成として広く期待される。ケイ素化合物におけるケイ素ラジカルの生成はいろいろ知られているが、最も適した反応としてはジシランの光反応がある。ジシランの光反応は直接、ケイ素-ケイ素結合を切断する場合とフラーレン自身が光増成剤として作用し、ジシランへのエネルギー移動を通してケイ素ラジカルを生成するものがある。ケイ素ラジカルの生成はいずれも嵩高い置換基を持ったケイ素において有効である。生成物は炭素ラジカルの反応とは全く異なるフラーレンの1,16-位に2つのケイ素が付加したもの及びケイ素ラジカルのフェニル基がフラーレンに結合したものが生成し、これまで全く予想されない特徴ある化合物として注目される。 一方、ケイ素アニオンの生成は直接、ケイ素リチウム試薬とフラーレンを反応されるが、ケイ素の1,2-付加、1,16-付加体を主生成物としていることができた。いずれも炭素アニオンではみられない特徴ある化合物である。この反応形式はケイ素の持つ嵩高さによる立体反発によるものであり、エネルギー的にもっとも安定な状態であるといえる。炭素化学と異なり、これらケイ素の反応は高い収率でフラーレン付加体が得られることはこの分野の大きな成果といえる。今後、この反応を修飾または改良することにより、超電導材料開発の道が開かれると思う。
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