研究課題/領域番号 |
08454196
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 栄一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00134809)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | アリル金属 / ヒドラゾン / カルボメタル化反応 / 理論計算 / 不斉合成 / 有機銅アート錯体 |
研究概要 |
有機金属化合物の独立オレフィンのへ付加反応(オレフィンのカルボメタル化)は反応機能的にも合成的にも重要な反応であるが、対応するカルボニル化合物の反応研究に比べて研究は殆ど進んでおらず、研究を幅広く展開するために必要な基礎的情報も欠如している。本研究では高活性、高選択性を兼ね備えたカルボメタル化反応系を開発した。具体的には理論と実験研究を平行して行い、次に述べるような成果を挙げた。 (1)複数金属クラスター典型例である有機銅アート錯体の反応経路の詳細を理論的に検討し、これまで想像されていたよりもはるかに複雑でかつ巧みな反応経路で反応が進行していることを明らかにした。すなわち、ab initio分子軌道および密度汎関数法計算により、アセチレンへの付加、アクロレインへの共役付加において銅原子の価数を変化させ、クラスターの構造を自在に変えながら付加反応が進行することが明かとした。 (2)アリル金属の構造と反応選択性の相関を明かにする過程で、これまで実現困難とされてきたイミンへの不斉付加反応を開発し、アルカロイド類の新規合成法を見いだした。 (3)オレフィン基質の検討を行うなかで、亜鉛エノラート活性種がシクロプロペンに付加することを発見した。これは今まで実現不可能と見られていたエノラートのオレフィンへの付加反応の初めての例である。以上、理論と実験の併用により、オレフィンのカルボメタル化反応での新しい反応機構および反応様式を明らかにした。
|