研究課題/領域番号 |
08454200
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 芳宏 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (50022702)
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研究分担者 |
村田 静昭 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (50157781)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 不斉合成 / 光学活性イミダゾール / 光学活性テトラゾール / 動的速度分割 / ホスホロアミダイト法 / 酸塩基複合促進剤 / 塩基部無保護DNA合成法 / アンチセンス核酸 / 酸・塩基複合促進剤 / DNA合成 / 光学活性リン酸エステル / 光学活性アゾール / ヌクレオチドホスホロチオエ-ト / 酸 / 塩基複合活性化剤 / ホスホロアミダイト / アミダイト法 |
研究概要 |
光学活性促進剤を用いる動的速度分割ホスホロアミダイト法を手段とした、リン原子上に不斉中心を有する光学活性有機リン化合物の不斉合成を目的に研究を行った。具体的には、所期の計画通り、光学活性促進剤として、5位にキラルなアルキル置換基を有する各種テトラゾール化合物や2位にキラルなアルキル置換基を有する各種イミダゾールあるいはベンズイミダゾールのトリフルオロメタンスルホン酸塩を用いるホスホロアミダイトとアルコールとの縮合反応による非対称置換トリアルキルホスファイト不斉合成を検討した。しかしながら、これらの促進剤を用いた反応ではすべての場合期待した不斉誘導はまったく見られず、目的を達することができなかった。これに対し最近光学活性カルボン酸を促進剤に用いると数%程度ではあるが不斉誘起が見られることを見出した。従って今後は、光学活性カルボン酸を用いる不斉合成を検討する所存である。 このように本来の研究目的実現には至っていないが、本研究実施により、望外の、所期の目的に優るとも劣らない重要な成果を得た。すなわち、ホスホロアミダイトの新規活性化剤として開発したイミダゾールのトリフルオロメタンスルホン酸塩が、塩基部を保護しないヌクレオシド原料を用いても目的とする水酸基選択的ホスフイチル化を行い、インターヌクレオチド結合を形成することを見出した。その結果、塩基部無保護DNA合成法を開発した。周知のように、核酸塩基部への保護基の導入と必然的に付随する脱保護は、煩雑な実験操作、高価な試薬を必要し、さらには、時として目的物の収率および純度の著しい低下をもたらす。したがって、この塩基部無保護合成法は、核酸合成における理想的で究極的な方法としてその創出は長年の夢とされてきたもので、アンチセンス核酸の経済的大量合成などでその有効利用が大いに期待できる。このため、今後はこの方面の研究をも積極的に進めたい。
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