研究課題/領域番号 |
08454201
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小田 雅司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004438)
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研究分担者 |
蔵田 浩之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40263199)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 拡張パイ電子系 / トリキナレンメタン類 / トリアリールボラン誘導体 / デンドリマ-型ヘキサカチオン / 機能性色素 / 酸化還元系 / スイッチ機能 / 遊離基 / ジラジカル種 / 機能性 / 拡張トリメチレンメタン / 共役系オリゴマー / ソルバトクロミズム / 有機ヘキサカチオン |
研究概要 |
本研究課題の第一の目標は、今までにない新規な拡張パイ電子系を創出しそれらの基本的性質やその構造との相関を明らかにすることにより、機能性物質開発の基盤を充実させることにある。この研究目標について2年間の研究で以下のような結果が得られている。 (1)我々は数年前、ベンゼン環やチオフェン環で拡張されたいくつかのトリメチレンメタン類(トリキナレンメタン類と命名)を世界で初めて合成しそれらの高い四極性構造と特異な性質を明らかにした。に本研究では引き続き、構造、物性的に大変興味深いヘキサシアノトリキナレンメタンジアニオン(1)や末端に芳香環で安定化されたイオン構造をもつトリキナレンメタンジイオン類の合成に成功しそれらの構造や性質を明らかにした。 (2)ジアニオン(1)の合成と関連して、7、7-ジシアノ-8,8-ジアリールキノジメタン類(2)の効率的合成法を見いだしそれらの構造・物性も明らかにした。さらにキノジメタン部にメチル基による立体障害を導入して、構造、物性への影響を調べた。その結果、立体障害の増大とともに可視部吸収が長波長移動(極性構造の寄与の増大)して近赤外部におよび、それらのなかには普通得るのが難しい水色の色素も見いだされた。また、(2)のチオフェン類縁体であるジシアノジアリールチエノキノジメタン類の合成も行いそれらの構造を物性を明らかにした。チエノ体は(2)の場合よりも極性構造の寄与が若干小さい。この合成法は類縁体合成への応用が高く、一層の展開が期待される。 (3)ホウ素原子の電子吸引性に鑑み新規な機能性物質の開発を目指して、立体保護により安定化されたボラキノン類やトリキナレンメタンジイオンのホウ素類縁体の初めての合成に成功し、前者はかなりのソルバトクロミズムを示し、後者の性質については詳しく検討している。 (4)これらの他、6置換ベンゼンを骨格とするデンドリマ-型ヘキサカチオン類の合成と物性、テトラキス(2-チエニル)キノジメタン類の合成、電気化学的性質およびそれらのジアニオン種の生成と物性、ジベンゾタ-キノン誘導体の合成とそのジラジカル種との光と熱による興味ある相互変換(スイッチ機能)などの成果が得られており、これらの結果は近々公表できる予定である。
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