研究課題/領域番号 |
08454203
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小野 昇 愛媛大学, 理学部, 教授 (40093215)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | ピロール / ポルフィリン / イソインドール / 長波長シフト / 分子認識 / ビロール / ニトロ化合物 |
研究概要 |
芳香族ニトロ化合物とイソニトリルとの反応により、ピロールと芳香環とが縮環したピロール(イソインドール)が合成できる。本研究において、この反応に適用できる芳香族ニトロ化合物の種類を検討した。その結果、多環芳香族、単環芳香族、複素芳香族ニトロ化合物全て、イソインドールに変換可能となった。得られたイソインドールは、対応するポルフィリンに変換できた。ここで、ポルフィリンの物性に及ぼす、縮環した芳香環の影響と中心の金属の影響を系統的に検討することが可能であった。また、イソインドールと芳香族アルデヒドとの反応により、メソ位にアリール基をもったベンゾポルフィリンが合成できた。このようにして合成されたポルフィリンの中で、縮環部がアセナフチレンで、メソ位が2-チエニル基のポルフィリンは、ソ-レ帯が600nm,Q帯が800nmの吸収極大をもち、従来のポルフィリンより、200nmも吸収を長波長へ移動させることに成功した。この、長波長シフトの原因を明らかにするために、電気化学的手法を用い、酸化電位と還元電位を測定し、ポルフィリンのHOMOとLUMOのいエネルギーレベルを見積もった。縮環した影響で、LUMOが低下し、多置換のためHOMOが上昇していることが分かった。 また、縮環部に芳香環でなくビシクロ環が縮環した新規ポルフィリンの合成にも成功した。これらのポルフィリンは、ポルフィリン環と強固なビシクロ環との間にσ-π共役が可能であり、ポルフィリンのラジカルは安定かされるため、伝導性、磁性などの面で新規な機能が期待される。また、これらの方法を応用して、分子認識能を有するポルフィリンの合成にも成功した。
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