研究課題/領域番号 |
08454222
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡辺 巌 (渡部 巌) 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50028239)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | EXAFS / 機能性薄膜 / 転換電子収量XAFS / フェライト薄膜 / 分散金薄膜 / 偏光XAFS / チタン酸ストロンチウム |
研究概要 |
1. 数マイクロメータの厚さ、あるいはそれ以下の厚さの薄膜は、情報記憶用磁気材料・アモルファス合金、各種センサー、光学部品の表面コート、メッキ膜などの重要な機能を担っている。この様な薄膜物質の機能を理解し、さらなる性能向上をはかるためにはその構造解析が重要であるが、そのためのよい構造解析手法はあまり存在しない。本研究では、注目元素の周囲のミクロ構造解析法として有力である広域X線吸収微細構造(EXAFS)解析法を薄膜材料の構造解析に適用した。 2. 厚い基盤上の薄膜のX線吸収スペクトルを測定することは通常の透過法では不可能である。そこで、本研究では転換電子収量法を用いた。これはX線を吸収した原子が放出するオージェ電子の飛程が短いことを利用して表面敏感XAFSとするものである。 3. 測定はPhoton FactoryおよびSPring-8にて行った。これまで専ら第一遷移金属元素についてのデータを収集してきたが、今年度はSPring-8にてさらに重元素を対象として本測定法の限界を探った。重元素においてはオージェ電子のエネルギーが非常に高くなるため、分析深さが深くなり表面感度が低下する。転換電子収量法はX線の吸収が問題にならない程の薄い表面しか観測しないのでバルク試料の"そのまま"の測定に有効な手法である。しかし、高エネルギー領域においても本法が有効であるかどうかについての検討を行う必要があるのでそのための実験を行った。現在データの解析中である。また、これまでに測定したSrTiO_3薄膜の精密解析を試みている。この薄膜のスペクトルは、これまでのバルク材の解析に用いていたカーブフィッティング計算用パラメータでは再現できない形状をしており、その原因の検討を行っているところである。
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