研究課題/領域番号 |
08454229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 筑波大学 (1997) 東京工業大学 (1996) |
研究代表者 |
八木 寿子 (平井 寿子) 筑波大学, 地球科学系, 講師 (60218758)
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研究分担者 |
近藤 建一 Materials and Structure Laboratory, Tokyo Institute of Technology, , professor (50111670)
八木 寿子 (平井 寿子) 東京大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (60218758)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | C_<60> / ナノ結晶セラミックス / ダイヤモンド / 衝撃圧縮 / 透明 / 直接結合 / 格子像 / 粒界 / C_<60>フラーレン / アモルファスダイヤモンド / C60フラーレン / バンドギャップ / EELS / 炭素新物質 / ナノサイズダイヤモンド |
研究概要 |
平成8年度の研究において、C_<60>フラーレンからアモルファスダイヤモンドという物質を、衝撃圧縮-急冷法によって合成し、その動径分布や転換プロセスを解析し、物性を測定した。これらの結果、衝撃圧縮条件を制御することにより、ナノメータサイズの結晶よりなる透明なダイヤモンドセラミックスを作製することが可能なことを示唆していた。ダイヤモンドも、数ナノメートル以下になると、表面エネルギーが高くなり、安定に存在できない。もし、ナノサイズの結晶からなるダイヤモンドセラミックスが存在するなら、それは炭素の結合状態の多様性を理解する上に重要な示唆を与えるばかりでなく、その物性の応用には大きな可能性が期待される。平成9年度の研究において、衝撃条件の最適化を図り、また、出発物質を薄膜化することにより、初めて真にナノメータサイズの結晶よりなる透明なダイヤモンドセラミックスの創製に成功した。 この物質は一辺が約100μm,厚さは約5μmのプレートとして得られる。天然の単結晶ダイヤモンドにほとんど匹敵する光学吸収特性を呈し、また、硬度も通常の方法では測定できないほど高い。電子線回析により、ダイヤモンド構造が形成されていることが示され、また、電子線エネルギー損失スペクトロスコピー(EELS)により、sp2結合成分は含まれず、完全にsp3結合よりなることが示された。高分解電顕観察によると、個々の結晶子(2.3nm)は直接結合しているか、あるいは、極めて薄い乱れた2〜3原子層を介して結合している。従って、この物質中の個々の結晶子はわずかに変形配列した粒界(表面)原子によって安定化していると考えられる。いずれの場合でも原子配列は基本的にはsp^3であり、このことがこの物質の硬さを裏付けている。また、この物質のナノ組織が単結晶に匹敵する光学吸収特性を実現している。
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