研究課題/領域番号 |
08454240
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
土江 秀和 大阪市立大学, 理学部, 講師 (30137187)
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研究分担者 |
市村 彰男 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50047396)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1996年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 高吸水性ポリマー電極 / 顕微ラマン分光法 / 促進イオン移動 / 凍結電極 / 脂質2分子膜 / クラウンエーテル / 高吸水ポリマー電極 |
研究概要 |
顕微レーザーラマン分光法による研究では、まずラマン散乱強度の強いピリジンの水ジクロロエタン界面における吸着の測定を試みた。しかし、装置の感度不足または散乱強度不足のどちらか、またはどちらもが原因となり、シグナルは観測されていない。そこで、高吸水性ポリマーに吸収させたピリジン水溶液のラマン測定を、ポリマー表面、およびポリマー内部で行ったが、非常に弱いシグナルしか観測されなかった。また脂質2分子膜溶液をさまざまな表面に刷毛塗りし測定したが、未だ顕著なシグナルは観測できていない。装置の調整不足でS/N比が上がっていないのが一因であるのは確認できているので、感度の最適化が今後の課題である。 吸水ポリマー電極を用いて、ナフト-15-クラウン-5によるアルカリ金属イオンの促進移動を調べた。有機相にはジクロロエタンとニトロベンゼンを用いた。その結果、ナトリウムは様々な濃度下で常に1:1錯体を形成し移動したが、カリウムはナフト-15-クラウン-5の濃度が高いと1:2錯体として、またカリウムイオン濃度が高いときには1:1錯体として移動していた。ECメカニズムを想定し決定した有機相中での錯体の安定度定数は、ナトリウムの1:1錯体に対しては5.0×10^6M^<-1>、カリウムの1:2錯体に対しては6.0×10^8M^<-2>という値が得られた。移動種の同定にエレクトロスプレーマススペクトル法を新たに導入し、イオン移動ボルタンメトリー法の結果と比較した。 凍結電極を用い、各種4級アンモニウムイオンの凍結電解質溶液中へのイオン移動の熱力学量を決定し、それらの値を、水溶媒自身の水素結合によるネットワーク構造とイオンの水和とに関連付けて議論した。疎水性アニオンの脂質2分子膜を介した移動も研究し、疎水性アニオンと電解質イオンとのイオンペア-が2分子膜へ濃縮した後、それぞれのイオンが別々に反対相へ向かって移動するという新メカニズムを提案した。
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