研究課題/領域番号 |
08454246
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前川 光司 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助教授 (80002301)
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研究分担者 |
中野 繁 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助教授 (50217791)
後藤 晃 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30111165)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 環境変動 / サケ科魚類 / 生活史多型 / 生活史動態 / 降海型 / 河川残留型 / 性選択 / 閾値モデル |
研究概要 |
サケ科魚類雄には二型(降海型と河川残留型)が出現することが知られている。これらの進化的出現機構と環境変動による出現頻度の動態を明らかにするために、その基礎的研究を行い、主に以下のような結果をえた。(1)野外実験によってサクラマスの産卵時における河川残留型雄(早熟雄)のに形態に働く選択勾配を、産卵行動とスニ-ク成功率などの行動によって測定した。適応度要素のうち、産卵床からの距離と体サイズに有意な関係が認められたことから、性選択は体サイズを大きくする方向で働いていることが明らかとなった。このことから、早熟雄の体サイズには早熟雄内における選択と従来から言われてきた分断選択とによって最適サイズが決定されていると考えられた。また、降海型には二次特徴や体サイズに選択がかかっていることが知られていることから、降海型と残留型の選択圧には差があることが示唆された。(2)北海道大学雨竜地方演習林にあるシュマリナイ湖に生息するサクラマスの相対的卵重量は他の地方のサクラマスのそれに較べて有意に小さいことが明らかとなった。このことから本湖に生息するサクラマスの生活史戦略は繁殖投資量を少なくする方向に変化している可能性がある。(3)ミヤベイワナの雄2型の受精成功率をフィンガープリントDNAを用いて測定した。その結果、一産卵あたりの早熟雄の総受精成功率は、その個体数の増加に伴い、17.5%まで増加したが、個体あたりの受精成功率は減少した。以上のことから、ペア産卵をする降湖型雌雄の周囲に倒流木や大石などの遮断物が多くなると、早熟雄の産卵への機会が増加するため、早熟雄の生涯繁殖成功度が大きくなる可能性を示す。
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