研究課題/領域番号 |
08454255
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
芦原 坦 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (00017211)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | プリンアルカロイド / カフェイン / 生合成 / 代謝 / フクレオチド / キサンチン / チャ / コーヒー / N-メチルトランスフェラーゼ / プリンヌクレオチド / S-アデノシルメチオニン / 酵素精製 / ヌクレオチド |
研究概要 |
プリンアルカロイドの生合成経路は、キサントシン→7・メチルキサントシン→7・メチルキサンチン→テオブロミン→カフェインの経路が主要経路であることが示された。カフェイン合成の3つのメチル化反応は2つの酵素と考えられる。後半のメチルキサンチンNMTに関しては、今回、PAGEでひとつのバンドになるまで精製され、N末のアミノ酸組成があきらかにされた。カフェイン生合成の前駆体であるキサントシンの由来については、プリンのdenovo経路でできたIMPから直接できる経路が示された。植物体におけるプリンアルカロイドの蓄積に関して、チャやコーヒー植物の若い組織では、合成に比べ分解速度は遅いため、蓄積量は、ほぼ合成速度で決まると思われる。生合成の調節機構については、この経路の構成酵素の量(酵素の遺伝子発現)による‘coarse control'と、酵素の活性調節、つまり酵素の基質やエフェクターの濃度の変化が調節要因となる‘fine control'があると思われる。カフェイン生合成の鍵酵素である3段階のメチル化反応を触媒する複数のNMTのin vitroにおける活性は、カフェイン合成の高い組織で高く、組織の齢に伴いカフェイン合成活性が低下するにしたがい低下、消失するため、‘coarse control'が重要であることは明白である。本研究期間中には完了しなかったが、この酵素の遺伝子のクローニングを開始しているため、近いうちにこの‘coarse control'の発現について詳細な機構が明らかにされるものと思われる。若い組織では、in vivoでの酵素活性は、S-アデノシルメチオニンとキサントシンの供給量で制限されていると思われる。カフェイン合成の酵素の細胞内に関しては、NMT活性が葉緑体に局在することを明らかにした。プリンのde novo経路とカフェイン合成経路が共に葉緑体にある可能性が示された。
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